#02
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「え? ……何コレ?」
空間を繋ぐ扉をくぐり、霧が立ち込める空間から旧校舎に移動すると、旧校舎を見回した千枝が呆然と呟いた。
「私達、さっきまであの霧がある変な場所にいたよね? それがドアをくぐったらいきなり学校ってどういうこと?」
「八十神学校の校舎に似ているな……。青野、ここはテレビの中なのか?」
「いや、ここは『SE.RA.PH』の片隅にある居住空間で、俺達は月海原学園と呼んでる」
悠の質問に北斗が答える。月海原学園というのは過去に北斗とキャスターが参加した聖杯戦争の舞台となった学校の名前である。
聖杯戦争での記憶は辛いことが多かったが、それでも嬉しい思い出や楽しい思い出もあった。それに北斗がキャスターと出会ったのもこの聖杯戦争であったため、その事を忘れないために北斗はこの校舎を月海原学園と名付けたのだった。
「月海原学園? そんな学校、聞いたこともないぞ?」
「それはそうだろうな。あと陽介、トイレはあそこにあるからな」
北斗が男子トイレを指差したとたん、そこを目指して陽介が走り去っていく。
「マジで!? トイレトイレ! もるっ! もるー!」
「……さて、陽介が戻ってから説明を始めるけどいいかな?」
※※※
陽介がトイレから帰ってきた後、北斗は一階の教室に皆を集めて説明を始めることにした。
「それじゃあ、まずは改めて自己紹介を。俺は青野北斗。この旧校舎でここにいるキャスターと一緒に暮らしている魔術師、霊子ハッカーだ」
「魔術師?」
「霊子ハッカー?」
「何ソレ? ……もしかして手品師か何か? ほら、マジシャンみたいな感じの」
北斗の自己紹介に悠達は困惑ぎみに首をかしげ、それを見たキャスターが北斗に耳打ちする。
「……ご主人様、ご主人様。この方々は完全な異世界の住民のようですし、ここは長くなってもこの世界のことから説明した方が早いかと」
「それもそうだな。……すまないがまず最初にこの世界のことから説明をさせてもらう。信じられないような内容だけど聞いてくれないか?」
「分かった。信じるよ」
北斗の言葉に即答する悠に陽介がつっこむ。
「はえーよ! まだ何も聞いていないだろうが!」
「でも、俺には彼らが嘘をつくようには見えない。現に今だってこうして安全そうな場所に連れてきてくれたし……」
「ありがとう、悠。では最初に、この世界は君達が暮らしていた世界とは別の世界、いわゆる異世界だ。月にあるムーンセルが創りだした電脳世界『SE.RA.PH』。それがこの世界の名前だ」
北斗の口から出た「ここが異世界」という発言。これに最初に反応したのは千枝だった。
「い、い、異世界って、何ソレ!? ゲー
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