#02
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ムや漫画じゃあるまいし、私達をからかっているの!? というかムーンセルって何よ? 電脳世界って何?」
「あーもー、うるさいですね。ご主人様がせっかく説明してくださっているのに、横から口を出さないでくれませんか? 私達は本当は貴方達に説明をする義理も義務もないんですよ? そこらへん分かってますか?」
「落ち着けって、キャスター。……そうだな、ムーンセルっていうのは遥か昔から月に存在する地球を観測する観測装置で……かいつまんで言うと超古代の天然のスーパーコンピューターってところかな? それで『SE.RA.PH』はそのムーンセルの内部……オンラインゲームの世界と言えば分かるか?」
できるだけ悠達三人に理解してもらえるように言葉を選びながら説明をする北斗。その甲斐があってか悠達も納得はできていないが一応の理解はできたようだった。
「月にある超古代のスーパーコンピューター……」
「そしてそれが創りあげたオンラインゲームの世界って、どこのSFだよ?」
「それで霊子ハッカーというのは?」
千枝と陽介が困惑顔で呟く横で相変わらずマイペースの悠が質問をする。
「霊子ハッカーっていうのは自分の魂をデータにしてパソコンに送り込むことで電脳世界を自由に行動できる能力者のことだ。俺達の世界では霊子ハッカーを魔術師と呼ぶことがあるんだ」
「なるほど。だからさっき魔術師と名乗ったのか」
ようやく納得がいったとばかりに頷く悠を千枝と陽介があきれ顔で見る。
「鳴上君……。理解早すぎない?」
「どんだけ順応性高いんだよ? ……それで? その霊子ハッカーだか魔術師のお前達はどうしてあんなところにいたんだよ?」
陽介が言っているのは、あの霧が立ち込める謎の空間のことだ。北斗は一つ頷くとあそこに行った経緯を話始める。
「俺達は数日前からこの旧校舎で暮らしていたんだが、少し前に突然旧校舎にある扉があの世界と繋がったんだ。それで俺は、あの世界がこの『SE.RA.PH』に悪影響を及ぼすのかどうかキャスターと調べようとした。そしたらその矢先に……」
「俺達が落ちてきたと……」
北斗の言葉を悠が引き継ぎ、キャスターが「その通り」と頷く。
「さて、と。次はこちらが質問をする番ですね。……見たところ貴殿方、何の力もない一般人のようですが、それが何故あのような異界に現れたのですか?」
「何でって……俺達にも何が何やら……」
「ね、ねぇ……」
「……順番に話そう」
キャスターに質問されるが訳が分からないといったふうに顔を見合わせる陽介と千枝に対し、悠は自分の中で考えをまとめながら少しずつ説明をしはじめた。
ことの始まりは町で聞いた噂話だったらしい。
噂話の名前は「マ
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