第四十四話 いや〜楽しみだなギルド
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、座りな」
闘悟は何も言わず、ただ勧められるまま老人を対面に用意された席に座る。
「アンシーは仕事に戻りな」
「あ、はい! 失礼します!」
へぇ、あのお姉さんアンシーって名前なんだ。
闘悟はこれからお世話になるであろう受付嬢の名前を頭の中にインプットした。
「さて、ところでここに書かれてあることは本当かい?」
老人はミラニからもらった紹介状を見せつけてくる。
「えっと……実はオレもそこに書かれてる内容は知らなくて……」
「何だって?」
疑うような目つきで闘悟を見つめてくる。
ミラニよ、ホントに何て書いたんだよ……。
ミラニに話したことを後悔し始めた。
「まあ良いか。ここにはね、お前があのミラニ嬢に勝ったと書かれておる」
そんなこと書くなよとツッコミたいが、当の本人は宮殿にいる。
「本当かい?」
「ええ、まあ……成り行きで……」
老人はもう一度闘悟を値踏(ねぶ)みするように観察する。
「……お前さん、ミラニ嬢がどれほどの使い手か知っとるかい?」
なるほど。
ミラニは王国の魔法騎士団の団長を務めるほどの人物だ。
そんな人物に勝ったということは、それは驚くべき逸材(いつざい)だろう。
それにこの物言い、恐らくミラニもギルド登録している。
成績もかなりの上位なのだろう。
そんな彼女の紹介状と、そこに書かれてある内容が、この老人にはどうしても信じられないのだろう。
だから、闘悟は認めさせるために自信のスイッチを入れた。
「知ってますよ。ミラニは確かに強かったです」
「ほぅ」
「彼女の魔法のタイミングも然(しか)り、斬撃、速さ、どれをとっても一級品でした」
老人はいきなり弁舌になった闘悟を珍しいものを見るような眼差しを送る。
「ですが、オレの敵では無かった」
「……証拠は?」
「その紹介状でも分かると思いますが? ああ、偽造(ぎぞう)を疑ってるんですか? なら証拠を見せましょうか?」
「証拠……?」
すると、闘悟はいきなり魔力を解放し始めた。
部屋の窓がガタガタを揺れ始める。
それと同時に老人の額から汗が流れる。
両目も開きっぱなしだ。
「な……な……っ!?」
驚愕の事実を受け止められていないのだろう。
老人は口を半開きにしたまま、我を忘れたように声を上げる。
「た、達人級……いや、それ以上……?」
どうやら、彼女は魔力量を視認して計れるみたいだ。
その結果、闘悟のありえないほどの魔力量に愕然とする。
闘悟はさらに魔力を解放する。
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