第四十三話 ヒナ……君のママは怖いね……
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どんな伝え方をしたんだよ!
というか原型が無くなるって、そんなミンチじゃねえんだからそこまでするかよ!
「い、いえ! 確かに勝ちましたがそこまで痛めつけてはいません!」
ここはさすがに否定しておくことにした。
このままじゃ、ただの鬼畜(きちく)野郎になってしまう。
「だが、勝ったんだね?」
「はい」
「プライドを……ズタズタにした……よ」
いやしたけどさ!
ここで言わなくてもいいんじゃないのかな!?
「いやはや、大したもんだよ」
オルトロは楽しそうに笑う。
周りの雰囲気が和やかになっていく。
闘悟の緊張も少し削られていった。
最初は、可愛い一人娘に纏わりつく男として、オルトロの鉄拳でも飛んでくるのではないかと覚悟してはいたが、どうやら彼からも歓迎されているみたいだ。
そんな考えをしてホッとしていると、オルトロが隣に座っている妻に目を向けた。
「ところで、どうしたのかな? 今日は随分(ずいぶん)大人しいが何か気分でも悪いのかい?」
心配そうに声を掛けるが、フレンシアは顔を伏せて小刻みに震える。
瞬間、闘悟は嫌な予感が駆け巡る。
「お、おいフレンシ……」
オルトロが声を掛けようとすると、フレンシアはいきなり席を立つ。
「あ〜! もう我慢できないわっ!」
そう言いながら闘悟の方へ向かって来る。
物凄いスピードだ。
「はい?」
闘悟はいきなりのことに身体を硬直させる。
そして、フレンシアは闘悟を背後から抱きかかえるように両手を闘悟の胸に回す。
そして、闘悟の頬に自分の頬をくっつけて擦(す)り合わせる。
何が起こってるのか、闘悟は混乱する頭を必死に立て直そうとするが、あまりにも意外的な展開が許してくれない。
「あ〜もう〜! このスベスベの肌! 煌(きら)めくフワフワな髪! そしてこの優しい匂い! さいこ〜!」
うん、この人は紛(まご)うことなきあの王妃様の親友だ。
絶対間違いねえ!
闘悟は王妃様に似たフレンシアを、自分が苦手とする人物だと格付けすることに成功した。
その様子を見てオルトロは呆れたように肩を落とすが、ヒナはムッとしている。
「ママ……ずるい」
為すがままにされる闘悟は、そんなヒナの言葉は聞こえてはいない。
「これこれ、フレンシア、もういいだろう?」
このままでは、いつまでもやっていそうなのでオルトロは制止をかけた。
「は〜良かったわぁ〜」
ぐったりしている闘悟をよそに、肌がテカテカしているフレンシア。
物凄く上機嫌だ。
「ごめんねぇ、ト
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