§34 撃墜されても死亡フラグになりはしない
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古代魔術で飛行機破壊も考えたが、痕跡を探られるのは困る。強大な呪力反応&旅客機墜落事件などと報道された日には魔王が関わっていると高確率で看破されるだろう。なにせ魔王密度が恐ろしいことになっているらしいし。霊視能力者がわんさか到来していても不思議ではない。証拠を残さず、破壊する。呪力反応すらも残さずに。
「我は無知なる闇の神。怒りに震えし邪悪の化身……!!」
闇の神の能力を発動。生命を奪いし邪悪な波動が飛行機を多う。無機物であるにもかかわらず、飛行機は一瞬にして侵蝕されて腐敗し破壊された。空中で塵も残さず消滅する機体。ガスの類も残さず全て消滅した。飛行機の消滅と同時に、時間の流れが元に戻る。時間加速も時間切れだ。
「これで二次災害の被害は無いかな」
飛行機の外へ出るだけならば邪気化による転移で済む。だが、飛行機程の質量を持った物体を空に放置は危険すぎだ。下手をすれば死傷者が何百と出るかもしれない。海に落ちて魚達に文句を言われるのも、困る。故に、徹底的に消滅させた。心の中で航空会社に謝罪して、自由落下に身を任せ、しばしスカイダイビングと洒落込もう。
「あー、空が暗い」
仰向けに落下しつつ、夜空を眺める。犯人は目星がついているし、この高度では相手も手出しできはしまい。重力に引かれ、大地に向かって落ちていく。
「転移して逃亡……は不味いか。下手したら都心で災害になる」
諦めてここで決着をつけようか。
「っと、そろそろまったり落ちていくのは拙いかな」
自由落下の最中に呟く。邪気で背中に翼を形成、仰向けから直立へ姿勢を変更、更に落下速度を減衰させる。地表が見えてきた。そろそろ人目を気にしないと拙いかもしれない。こんな時間にこんな辺鄙な所、いる人はいないだろうけど。
「さて、と大方予想はついているけれど襲撃者は―――!?」
言葉は闇の彼方に消える。原因は、無数に飛来する剣。見当違いの方向へ飛んで行ったように見える剣も、空気抵抗が原因か進行方向を黎斗の方へ向ける。気付けば前後左右上下斜め、あらゆる方向から剣がこちらへ向かってくる。時間差をも交えて巧妙に放たれた全方位攻撃を全段回避することは不可能に等しい。
「あぁ、もう。舐めんな!」
回避しきれない部分は両手両足で叩き落とす。受け身ではキリがないので、牽制程度にナイフを投擲。地上より追加で襲いくる剣に真っ向からぶつかったナイフは剣もろとも砕け散る。砕けた破片の数々は、勢いを残したまま四方に飛んでいき、別の剣の軌道を逸らす。勢いが強いものはそのまま剣を破壊している。結果、黎斗の方へ向かってくるのは剣も欠片もありはしない。
「連鎖反応万々歳」
気の抜
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