第19話 有希の初陣
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
いモヤモヤのような物を表面に見せる事もなく、普段の雰囲気で有希を見つめる俺。
微かに首肯いて答えてくれる有希。どうやら、俺が彼女の雰囲気を読み、言葉を聞き逃さないようにして居るのと同じように、彼女の方も、俺の有る程度の行動や言葉を気に掛けてくれて居ると言う事なのでしょうね。
このタイミングで、俺が彼女を見つめた理由が判ったと言う事ですから。
そして、
軽くさつきに右手を上げて別れの挨拶とした後、有希のテンポに合わせて進む俺。そんな、俺と有希の背中に対して、
「ねぇ」
しかし、何故か、先ほどまでとは少し違う雰囲気で声を掛けて来るさつき。
その問い掛けに対して、振り返って彼女を真っ直ぐに見つめる俺。そして、俺に遅れること数瞬の間の後、同じように振り返る有希。
う〜む、この数瞬の間に何か意味が有るような気もするのですが。
「さっきは、その……」
そんな、何処か別の世界に思考が飛びかける俺の事に気付きもせずに、何故か、やや挙動不審と成ったさつきが、言葉を探すように視線を宙に彷徨わせた後、
「助けてくれて、ありがとう」
……と告げて来たのでした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ