第19話 有希の初陣
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も、俺の独り言に等しい呟きも、彼女に対する問い掛けと思っての答えなのか、それとも、彼女も俺と同じように、傍に居る俺の言葉を一語一句聞き逃す事もないようにしているのか。
その辺りに付いては、今の彼女の返答からは、判りませんでしたが。
但し、彼女が、この眠れる少女を知って居る人間と言う事は。
【もしかして、この娘も、その機関とやらに所属する超能力者と言う事なのか?】
……と、内容が内容だけに、さつきに聞かせるのは問題が有ると判断して、【念話】にて有希に、そう問い掛ける俺。
尚、おそらく、未だこの少女が目覚めない理由は、人外の存在に襲われたショックが大きかっただけではなく、襲われた際に、ある程度の精気を奪い去られたからだと思います。
ヤツラ、幽鬼の類が生者を襲う最大の理由は、生者から精気を奪う事が目的です。そして、彼女がさつきがやって来る前にがしゃどくろと遭遇していたのならば、少しぐらいの精気を奪われていたとしても、不思議では有りませんから。
しかし、俺の問いに対して、有希はゆっくりと二度首を横に振る。これは否定。
そうして、
【彼女は機関とも、涼宮ハルヒとも関係のない一般生徒。そして、彼女とわたしが北高校入学前に面識を得ていた事実はない】
……と、【念話】にて答えを返してくれました。
成るほど。この四月から同じ高校に通う相手ならば、有希がこの少女の事を知って居ても不思議では有りませんか。確かに、どのような方法かは判らないのですが、彼女、長門有希は、未来に起きる出来事を知って居るようですから。
もっとも、俺がこの世界に現れる事に因って、どうやら彼女の知って居る歴史からズレが生じているらしいのですが。
さて。それならばどうするか……。
俺は、有希を見つめた後に、ベンチに横たえられたまま未だ目を覚ます気配すら感じさせない弓月桜と言う名前の少女を見つめ、そして、何故か仏頂面で俺と有希の事を見つめて居るさつきに視線を移した。
いや、さつきの仏頂面の理由は、未だ彼女は、有希を警戒していると言う事なのでしょうが。
それで、これから取る選択肢としては。
先ず、ここに、この弓月桜と言う名前の少女を捨て置くのは論外。
それから、彼女が気付くまで俺が傍に付いて居るのは、自動的に有希が傍に居る事となるので、流石に問題が有りますか。
確かに、既に歴史は変わっているのですが、この異常な事態に、本来はまったく関係のない一般人の少女を巻き込んで良いと言う理由には成りません。
まして、巨大な白骨に襲われるような怖い目に有って気を失って仕舞い、目が覚めたら其処に知らない男が居た、などと言う状況は、更にこの少女を不安にさせるだけですから。
そして、家に送り
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ