第四十七話
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面もちで、哀れなプレイヤーを睨むあのモンスターの名は《パアル》と表示されており、定冠詞がついていないことから、ボスモンスターではないらしい。
「くっ……!」
振り下ろされた強靭な腕を、リーダーであるシュミットがその手に持った盾で何とか防ぐ。
ユニークスキルを持ったヒースクリフには及ばないものの、 《聖竜連合》のタンク部隊のリーダーをも務めるシュミットの防御力は、攻略組の中でもトップクラスに位置する。
そのシュミットですら防ぐのが精一杯というのは、流石はハイレベルモンスターということか……!
「《鍵開け》スキルを持ってる奴は引き続き頼む! コイツは……俺が引き受ける!」
シュミットの盾に打ちつけられ続けている腕に日本刀《銀ノ月》を差し込むが、全く効いた様子はなく腕の一振りで俺は壁へと飛ばされてしまう。
「……っと!」
しかし、あの馬力を見てからこの展開は予想済みだったため、慌てず壁に手と足をつけてパアルと同じように四つん這いになって勢いを殺し、そのまま壁を蹴ってパアルの元へと戻っていく。
「このッ!」
こういうモンスターの弱点はやはり目かと当たりをつけ、目に一太刀入れようとするものの、その両手足を活かした素早さで俺の攻撃を避けながらその場を飛び上がった。
空中に飛び上がったパアルからの腕を避けると、とりあえず距離をとるためにバックステップをして落ち着いて全体を観察した。
「速いな……」
この偵察隊はボスモンスターを攻略する気は毛頭ないため、防御力重視のタンク装備のプレイヤーが圧倒的に多い。
《縮地》を始めとする高速移動の戦闘に馴れている自分でも、追うのがやっとのスピードのパアルに対し、この偵察隊では相性が悪すぎる。
「下がるんだショウキ!」
シュミットの鋭い声に反応して何とかパアルのを腕を避けるが、避けた先に置いてあったような尻尾に吹き飛ばされ、剣を持って加勢しようとしていた偵察隊のメンバーへとぶつかってしまう。
「……悪い!」
「じゃあさっさとどけよ!」
俺をどかした後にシュミットの号令により、大型モンスターを相手にする際の常套手段である、タンク部隊を正面に並べて長い得物で攻撃する布陣を高速で作りだした。
そしてこれが冒頭部分のシーンに繋がり、パアルにはその戦術に対するローチンでも組まれているのか、手足に力を込めてタンク部隊を飛び越して俺たちの背後を取った。
――それこそが俺たちの狙いとも知らずに。
「かかったぞ!」
パアルが飛び越したその場所には、先程尻尾に吹き飛ばされた際に俺のクナイを始めとする皆の様々な金属製の武器を設置してあり、まるで忍者の武器の《まきびし』のような様相を呈していた。
そこに飛び乗
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