第四十七話
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か……閉じ込められたのか!?」
言って欲しくなかった現実を偵察隊の第二グループの仲間が告げると、そこからリーダーであるシュミットの判断は流石に早かった。
「フーゴ、確かお前鍵開けスキルを持っていなかったか?」
「あ……はい、了解です」
《聖竜連合》の自身の部下であるらしい男性のスキルの有無を確認すると、部下は開けろと命令されたことを悟ってすぐさま俺の横につき、鍵開けスキルを発動させた。
「……ダメだ、スキルはカンストしてる筈なのに……!」
《鍵開け》のスキルはその名の通りの使い方であり、ダンジョン内の施錠された扉や宝箱を開けるためのスキルだった。
戦闘中に役に立つことはごく一部の例外を除けば基本的にないため、戦闘職の者が取っていることは少ないが、戦闘職の中でも探索向きの構成にしているならば必須と言って良い……らしい。
「もう一回頼む!」
「どけよ傭兵っ!」
《鍵開け》スキルを行っている聖竜連合のメンバーに頼んだ時、横から《軍》の団員であるコーバッツの部下が俺を突き飛ばして扉の前に立ちはだかり、その手に持った斧を叩きつけた。
武器や人物が変わろうと扉の不死属性が解除される訳ではなく、当然のことながら《Immortal Object》と表示されて傷一つつかないという結果は変わらない。
だが、俺はその軍のメンバーに「無駄だから止めろ」などとは口が裂けても言えず、それは俺以外の偵察隊の者も同様であった。
このボス部屋の中には、同じギルドだとかそういうことを超越した攻略組の友人が閉じ込められているのだから。
ここにいるメンバーは全員、中にいる面々を今すぐ助けたいと思っているだろうが、不死属性というシステムの壁の前に出来ることはなく、フーゴと呼ばれた青年が《鍵開け》スキルを成功させることを祈るしかなかった。
それからいても経ってもいられなくなった者――俺も含めて――が扉に攻撃を仕掛けたり、少しでも《鍵開け》スキルを習得している者は扉の前で悪戦苦闘をしていた。
そして中にいる仲間を助けるのに必死だった俺たちが、ボス部屋の扉の前で一定時間離れないとハイレベルモンスターが現れるというのを思いだしたのは、少し遠くで全体の状況を俯瞰していた偵察隊の仲間が――HPゲージをほとんど散らしながら吹き飛ばされて俺たちに合流してからだった。
「な……んだこいつ……!」
吹き飛ばされてきたプレイヤーがポーションを飲みながら毒づき、扉を開けようとする者たちの手が止まり、背後にいる何者かの姿を確認する。
人間が四つん這いになったような姿の狼と言えば正しいのだろうか、人間と狼を足して二で割ったようなモンスターが俺たちを叫び声を上げながら威嚇する。
どこか悪鬼を思わせるその
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