第四十七話
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二十五層では《軍》が壊滅的被害を出し、次の第五十層ではあわや攻略組が全滅しかけることとなった……まあ、その時は戦線を支えた《聖騎士》ヒースクリフの最強伝説が生まれた訳だが。
かく言う俺も第五十層の時にしか体験はしていないが、危険性を考えて偵察隊を半分に分けてフロアボスの攻略をすることとなった。
第一グループがまずコーバッツの指揮の下偵察をし、歯が立たなかったら全員の力を併せて撤退し、何とか戦えるようならばそのまま二グループでスイッチして偵察を行う……という手筈になっていた。
「この前のグリームアイズ戦みたくなるなよ、コーバッツ」
「……任せておけ」
この前のグリームアイズ戦を完璧に黒歴史認定した偵察隊の副リーダーに激励を送り、俺はリーダーであるシュミットの率いる第二グループへと戻る。
いつまでもボス部屋の前にいては、その層よりも強いモンスターが無尽蔵に出現するというデメリットがあるため、第二グループはドアより少し離れてボスを見ることとなる。
「……行くぞ」
コーバッツの低音の重い声が偵察隊の第一グループへと響き、皆が緊張した面もちでボス部屋を確認した後にコーバッツはボス部屋の扉を開けた。
中はグリームアイズ戦の時に比べれば明るく、遠目から見ても部屋の中の構造が解るほどだったが、残念ながらそこにフロアボスの姿はない。
「突入する!」
自身の恐怖をも吹き飛ばすかのように、一際大きい声を出したコーバッツが先導し、偵察隊第一グループが全員ボス部屋の中へと入って行った。
――そして、そのボス部屋へと続く扉が大きく音を出して閉じられた。
「……なっ!?」
その口から出た驚愕の声はここにいる全員の声であり、たかが四十代後半の層から携わってきている自分には知る由もないが、昔から攻略に関わっている人物で有れば有るほどその驚きは大きかったのだろう。
『ボス部屋の扉は閉まらない』
その認識は俺たちの中で確立されており、そういう前提があるからこそこの偵察隊というものが出来ているのだ。
「……《縮地》ッ!」
まさか、という嫌な予感が拭いきれず、高速移動術《縮地》を使ってまで出来るだけ速くボス部屋の扉へと近づくと、嫌な予感が気のせいであると願いながら日本刀《銀ノ月》をそのまま振り下ろした。
「……ッ!?」
日本刀という武器は鋭さや切れ味を旨としている武器であり、日本刀《銀ノ月》は扉を壊せないまでもその扉を予定通り切り裂く筈だった。
だが、そこに現れたのは切れ味だとかそういう問題を無視する、このゲームという世界における神の領域である不死の設定――いわゆる《Immortal Object》が表示され、日本刀《銀ノ月》の一撃に扉は傷一つつくことは無かった。
「まさ
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