反転した世界にて6
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は出ないだろうというくらいの、凄まじい精液の量。
ティッシュをあてがっているそばから、繊維の隙間から漏れ出るようにしてあふれ出ていく
「て、ティッシュティッシュ……っ!」
ようやく収まったかなという頃には、ティッシュ箱の中身が半分くらいになってしまった。
コップ一杯分くらいは、出たんじゃないだろうか。
もし手元にティッシュ箱を準備していなかったら、大変なことになっていただろう。ベッドのシーツに精液で描かれた世界地図が出現するところだ。冗談じゃなく。
「なんだってんだよ……」
――これも、世界が変わったことによる変化なのだろうか。
だとしたら、変容は僕の身体にまで及んでいるということ。だからどうしたという話ではあるけれど、精神衛生上よろしくない。
「……寝よ」
なんだか、事後の気だるさも増している気がする。
これが世界が変わってしまったが故のものなのか、単に精神的な問題が起因しているのかはわからないけれど。
「……うぅ、僕の色欲魔人……」
射精の間際、"違和感"に直面するまでの間、自慰の最中。
睦みまぐわう美女たちと、白上さんを重ねていたことに、軽くはない自己嫌悪の念を覚える。
――明日どんな顔して白上さんと話せばいいんだろう……。
……なんて、昨日まで考えようともしなかったことだ。こんなにも当たり前みたいに、"誰かと会話している自分"を、想像できるとは。
明日が楽しみだなんて、十年以上は思ったこともない。
良い変化なのかは、わからない。実際、白上さんをオカズにオナニーしちゃった罪悪感は相当なものだ。
けどまあ、明日の朝にはすっかり忘れているんだろうな。
……明日は、ちょっと早めに起きよう。……お弁当、作らなきゃだし。
明日は、どんな一日になるのか……。……。
◇
今日の電車内は、人もまばらで随分と快適だ。
ドアの近くの座席。左肩を手すりによりかけて、自分だけの快適な空間を確保している僕。
車内の上部に取り付けられている空調から、涼しげな風が肌を撫でるのが気持ちいい。
それもそのはず。昨日、一昨日がおかしかっただけであって、僕は基本的に込み合う時間帯をずらして電車に乗るようにしている。寝坊さえしなければ、忌み嫌う満員電車になんぞ利用しなくても済むのだから。
「……」
いつもなら、学校前の駅に到着するまでの二十分間、軽く仮眠を取って過ごすのだけれど。今日ばかりは眼が冴えてしまって、そういう気分に離れない。
何故か。理由はいくつも考えられるしこじつけられる。
まず、今日も昨日に引き続き、車両内に同乗している男女比率がおかしい。チラリと隣の車両に目を向ければ、男性しか乗っていない車両があるわけで
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