反転した世界にて6
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な髪型の何物か(性別不明)が、大剣を持って、マジ顔でチ○ドの霊圧がなんちゃら、と。
酷い。何ともひどい。
作画はそのまま、正しく作画崩壊してしまっている。
得も言われぬ気持ちを堪えながら、そっと本棚へ戻す。
一呼吸おいてから、隣の本棚に差し込まれている漫画を何気なく手に取ってみた。
そして表紙を一見して噴出。
「いつから軽音部が女子校のお話だと錯覚していた?」
何とも言えないご尊顔の男キャラクターが、ギターを担いでドヤ顔している。
少々イラッときたけれど、怖いもの見たさでパラパラと流し読んでみて――。
後悔。
「……」
予想通り、男子校で男四人のボーイズバンドがわさわさする漫画だった。
んで、後輩(中野東彦。通称あずにゃん)とか入部したりしてかもかもしてた。
「……そうか。なるほど……、こういう形で辻褄が合うわけだ」
――僕が元の世界で集めていた漫画は、少年漫画だったり男性向けの漫画ばかりだった。
それらが皆、タイトルはそのままに"男女美醜が入れ替わってしまっている"だけの話だ。今更驚くほどのことでもない。
驚きはしないけど、でもショックだ。
だって、僕の知ってる少年漫画が、皆、この世界基準の女性向け――すなわち歪な少女漫画に入れ替わってしまっているわけで。
趣味は読書(主にマンガ)、な僕は、一体これからどうすれば……。
あんまり深く考えると、立ち直れなくなりそう。
「……夕飯の支度、しなきゃ」
一旦、思考停止。
とりあえず、夕飯にしよう。
◇
本日のメニューは、豚生姜焼き定食+山芋となめこ盛り合わせ。
大変おいしゅうございました。
「しかしムラムラする」
僕はムッツリスケベとはからっきし縁のない人生をこれまで送ってきて、これからもそのように生きていくのだけれど。
普段は毎日自慰を欠かさないので、昨夜サボってしまった今日今現在、十分以上に溜まっている状態だ。
ましてや、今日は劣情を催さざるを得ないイベントが多かったように思う。電車のアレと体育の時のアレなんか特に。
このムラムラ、はらさでおくべきか。
PCを点ける。
目を疑う。
「ひぃ」
筆舌に尽くしがたい造形の男性キャラが、メイド服を着ている画像がデカデカと画面に表示された。
なんだこれ、ブラクラかよ。
と思ったら壁紙だった。
「そっか……。そうだよね」
夕飯前にも、考察したことではあるけれど。
世界が丸ごと、男女美醜入れ替わっているというのだから、PCの中身だってあべこべになっているのは、当然のことと言える。
軽く確認してみたところ、PCにインストールされているエロゲたちも、皆一様に"
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