§29 そうだ、京都へ行け
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見られかけているというのに。今はエルの姿を見た人がおらず、証拠が無いからまだ平和なのだ。もし証拠を与えてしまったら。近所のおば様方による井戸端会議の情報拡散速度は凄まじい。抑止する手段も無く、帰ってきた時には黎斗の評価は「美少女二人を手籠めにして侍らせている外道」になりかねない。護堂以上に最悪な人間になってしまいかねないではないか。
「最悪反町達が留守中に特攻してくる、か」
「私あの人たちからこの部屋を死守できる自信がありませんよ?」
剣の王に挑むだけの凄まじいアグレッシブさを持つ彼らをエルに止めてもらうなど不可能に近いだろう。寧ろ逆効果に近い。あの時も暴走の引き金は美少女だった。そして今回も美少女が元凶だ。止められない以上バレてしまうわけで。バレてしまえばもう平和な生活は不可能だ。つまりは黎斗のとる道は、一つしかない。
「……エル、一緒に行こうか」
ここで「絶対に守るから」などと言えないところが黎斗なのだが、実際守れる確証がないのだからしょうがない。守ろうと努力するつもりではあるのだが努力だけで何とかなるほど事態を楽観的に見れはしない。
「最悪マスターの倉庫から色々物色すれば私でも下級鬼程度ならなんとかなりますよ、多分」
とりあえずその言葉を信じて進むしか黎斗に残された手段は無かった。
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