§29 そうだ、京都へ行け
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能使って勝手に弱体化しますし。下手したら自滅ですし」
相手の拘束で右腕使用不可、超すごいびーむで片目使用不可。今は夜行性でない為便利な邪気を使うこともあまり無い。マトモに攻撃に使えそうな権能は今までほとんどなかったわけで。つまるところ黎斗は継戦能力が著しく低いのだ。神と連戦など滅多にない筈、なのだがこの千年位で十回近くも連戦に巻き込まれている。千年でこのくらいならば少ない、と考えて良いのかもしれない。しかし神との戦闘することなど普通は無いことを考えると十分多いどころか破格の回数といっても良いはずだ。実際相当なハンデを負って戦えば当然苦戦することになる。不死が無ければ死んでいた、という局面など片手で数えられないくらいだ。もっとも真の切札を実際は温存してるので、本当に危機、といった場面にはなっていないと言えばなっていないのかもしれない。が、出し惜しみして死んだらそれこそ笑えない。
「最近は防波堤がいるから連戦しなくていいかな、とか思ってたんだけどなぁ。変なのが来ていて挙句に大将とか、多分連戦フラグだよなぁ」
判明している神殺しにまつろわぬ神を任せる腹積もりで今までバカスカと大技とか使ってきたのだが、なんだか不安になってきた。
「またそうやって変な言い方しないでください。そういうときのマスターの発言って八割方的中するんですから。あとで泣きをみますよ」
「……うっへぇ。勘弁してよぉ」
泣き言を言いたくなるのだが、生憎とぶつける相手はここにはいない。
「では私はここに残りますと言いたいのですが、それには少し問題が」
「へ?」
「ココ、住人が消えますよね?」
部屋を示しながら聞いてくるエルに、相手の意図がわからぬままに同意する。
「そうだねぇ。エルくらい?」
「その間防犯の関係で鍵かけますよね? キツネはどうやって入れば?」
「んなもん例の呪符使って人に化けてから入れば……」
ここでようやくエルの言わんとすることがわかる黎斗。見知らぬ美少女が隣人の家に勝手に入る。確かにおかしい。
「……お隣さんとかに顔合わせしてなかったからなぁ。裏目に出たか」
「……顔合わせしたらマスター、私と恵那さんと二人もオンナノコを連れ込んで何してるんだ、って話になりますよ?」
「……おぉぉ」
周辺住民からどんな目で見られるか想像しただけで恐ろしい。ただでさえここ最近の夜は騒がしかった。三馬鹿相手に格ゲーで勝てない黎斗が恵那やエルに教えを乞うていたのだが、夜に女の子のものと思われる嬌声が男の部屋から挙がる。それも二種。ただでさえ変な目で
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