§29 そうだ、京都へ行け
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告げられる推測にしばし、絶句。
「おま、何故にこんなことに・・・」
何が悲しくて戦いの為にはるばる関西まで行かねばならないのか。せっかく遠出するならば、観光旅行にしたかった。三馬鹿監督海外旅行くらいしか旅行らしい旅行がないのは些か寂しいものがある。
「んなもんやだよ。旅行して帰ろ。サイコロ用意して出た目によって行動変えるアレとか楽しそう」
「あー……「元」まつろわぬ神が戦いたがるワケ、聞かねぇの?」
「ん? そういえば確かに。戦い飽きたんじゃなかったっけ?」
「本人に聞け」
電話口からでもわかるドヤ顔。いや、この場合ドヤ声というべきか。
「ふざけんな」
携帯電話を切る。引っ張っておいて自分で語らず本人に聞かせるとは。何を考えているのだ。
「あんにゃろ……」
とりあえずは支度して土産を持とう。もしかしたら人外バトルを回避出来るかもしれない。
「こっちは死んでも再出現しねぇっつうに・・・」
こちらは神話と異なり、死んだからといって未来に復活出来る訳ではないのだ。「次」がないのだから”あちらさん”にもそれを弁えて行動してもらいたいものである。
「マスター?」
「エル、お留守番よろ」
非戦闘員を連れていって守れない、なんて理由ではないが神経をすり減らしたくはない。エルは既に「偽りの灯火」によって蘇生させた身だ。躯が朽ち果てたとしても、黎斗さえ無事なら無からでも蘇生が出来るし中途半端な傷なら自動再生も可能なのだが、痛みはそのまま伝わるのだ。
「もし戦闘になったら、今回は前回と違って時間制限ない分じっくり腰を据えて戦う羽目になりそうなんだもん。エルも何回死ぬかわからんし」
下手にエルと引き離されればエルが何十何百と再生の度に殺され「オレのそばに近寄るなああーーーーーーーーッ」の展開になりかねない。エルを随伴するのならば速攻撃破が最善手なのだが。
「一人や二人ならともかく、軍団の速攻撃破は結構ムリゲーだろ」
神獣を余裕で凹る実力者がダース単位であそこにはいるのだから世も末だ。まつろわぬ神が出ても大丈夫だろう、と思えるような暴れっぷりを見せつけら、身を持って知ったのだから尚更そう思える。ちなみに前回は酒呑童子を「引きこもり」でなく「まつろわぬ神」と誤解した黎斗が酒呑童子消滅に動き、エルを引きこもり組への伝令役に使った。彼らが到着次第殲滅しようと考えていたのだが、やって来た須佐之男命に引き籠り組であることを教えられジャンピング土下座をかます羽目になった、というオチがついていたりする。
「……マスターは集団戦に壊滅的に弱いですからね。権
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