第八章 歩くバカと怒る彼女
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「これ、どう思いますか?」
「凄く、綺麗ですね」
八神はやては仕事の時は標準語である。
それに答えるミウラ・ケイタもまた、仕事の際は敬語である。
いくら同期で同年齢でも上官である。
「八神二佐。戦略的にココを制圧することは難しいでしょう。あるとすれば主力部隊が出払った状態を突かれる場合です。その際に各主力戦力が交戦状態であるのなら被害は大きいでしょう。その場合、庁舎内の非戦闘員の脱出経路、脱出方法を確立しておけば被害は建物だけで済みます」
「なるほど、主力戦力の分断とそれに乗じた侵略行為ですか。確かに非戦闘員の脱出訓練は必要ですね」
八神はやては元々頭の良い人物である。よって、話が通じやすい相手だ。
意思疎通が通りやすく、また話す内容も質の高いものであるので、ミウラ・ケイタは仕事時の八神はやてに好感を持っているのだ。
「さらに言えば、緊急事態が起きた際に自動に防御陣が発生させられるシステムを構築すれば建物はしばらく非戦闘員の盾となってくれるでしょう。その間に脱出、ないし、後発隊の到着ができれば理想的ですが、予算が降りないでしょう」
「ふふ、まあ、それは仕方ないことです。非戦闘員の脱出訓練、また、重要書類などの運び出しも含めた効率の良い脱出経路を考えましょう」
そう言えば、重要書類を忘れていたな。
人命優先に考え過ぎた。重要書類はこの庁舎が破壊された場合、その後の再建に必要なものになってくるのだ。
「では庁舎内の脱出経路を歩きながら考えましょう」
「ええ、もう一度、今度は非戦闘員が脱出する事を前提とした視点で庁舎内を周りましょう」
1時間後、あらゆる想定で脱出経路を考えた。
それを図に書き込んだものができて、仕事は終わりだろうと思った。
「ココは私の部屋になります」
「そうですね」
ソファーに座り込むはやて。
それは仕事終了と言った感じであった。
「ミウラっちも座り?」
「ん。はやても仕事お疲れ」
呼び名で完全に仕事終了だと理解した。
「設備自体はもう生きてるからお茶いれてーな」
「そういうのは座る前にいってくれ」
座った瞬間にまた、立ち上がる事になった。
冷蔵庫にはコーヒーとお茶があった。
「なあ、コーヒーとお茶があるけどどっちがいい?」
「お茶で」
なら、俺はコーヒーだな。
「はいよ」
「あんがとー」
ソファーはL字のものであり奥にはやてが座り手前に俺が座った。
左奥のはやては股を開いており、ガラステーブルの下でそれが見えていた。
それに視線が行ってしまうのは男の正しい脊髄反射だ。
薄水色か。
何故か今日は黒タイツを穿いていないな。
気温も暖かくなってきたし必要ないのだろう。
「すけべ」
「何のこ
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