第九話 幼児期H
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ちなのですから』
へぇ、なんとなくすごいのはわかるんだけど、あんまり実感がわかないや。SランクもSSランクの魔法も実際に見たことがないからだろうな。頭ではわかっていても、漠然とした想像しかできない。
原作でSランクだったのは、確かはやてさんだったよな。氷の魔法使ってたし、どこかのエターナル花粉症吸血鬼ぐらいの魔法ができるぐらいなのかね。基準がやっぱわからん。もうめっちゃすごいでいいか。
『で、ますたー。普通に会話してますけど、何か僕に言うべきことは?』
「ぱぱらぱっぱっぱー。アルヴィンの投擲スキルがレベル2にあがった」
物理的に突っ込んできたので、転移で避けました。
『どこの世界に自分のデバイスブン投げて、攻撃するますたーがいますかぁ!?』
「コントロールには自信があるんだ」
『魔法のコントロール練習してよッ!!』
俺、前世でも遠距離攻撃と攻撃避けんのは得意なんだ。水切りとか好きだったし、なぜかよくツッコまれるからそのツッコミを避けてたら、自然と身に付けたスキルたちだ。きっとこれから先も役に立っていくのだろうな。
『ますたーって、役に立ちそうな能力でも、残念な使い方しかできませんよね』
「あ、それは言いすぎだろ。俺だってちゃんと考えて使えてるはずだ」
『いきなり「デバイスを投げる」を選択するますたーが?』
「投げる以外の攻撃カードとか、俺ほとんど持ってないじゃん」
子どもの立場を利用して、社会的に攻撃することはできるけど。
『……一応聴きますけど、ますたーの持つレアスキルの認識は?』
「どこでもドア」
『…………』
……なんで黙るんだよ。
まぁこんな風にコーラルと駄弁りながら、木陰で涼んでいます。草の上で寝転がると気持ちぃし。母さんと妹は、休憩所の屋根の下で一休みしている。ここからさほど距離は離れていないため、お互いにすぐ視認できる。さすがに話声までは届かないけど。
ここから2人をなんとなく眺める。妹と母さんはここらへんの地図を見ながら、おしゃべりしているようだ。次の目的地でも話し合っているのかもしれない。
楽しそうにはしゃぐアリシアと、妹の勢いに押されながらも嬉しそうに笑う母さん。それは温かくて幸せな家族の光景だ。それなのに、その幸せを見るたびに、日々が過ぎていくにつれて、不安が押し寄せてくるのは俺が未来を知っているからなのだろう。
「……なぁ、コーラル」
『はい?』
「このままで、いいのかな」
『ますたー?』
自分でも情けない声が出たなと思った。俺は、俺にできることをやっている。だけど、今のままで本当にいいのかと思ってしまうんだ。
怖いんだ、この日常が壊れるのが。大切な人たちが消えてしまうのが。ま
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