GGO編ーファントム・バレット編ー
50.支える人々
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る。
案外、玲那は普通に受け入れてくれたが、俺が実は危険な目にあってると知ったら俺が病院に行くのを阻止するだろう。
玲那のバイクにまたがり、連れてってもらったのは........墓地。
俺はいつものように《北野》と彫られた墓の前で止まる。
「また来ちまったか」
何かあるとここへと来てしまうのが癖になっている。俺がSAOで共に戦い、友情を育み、初恋をした少女の元へと。
墓石の前で頭に手を当て考え込む。
(......結局、どうすればいんだよ、ミサキ。教えてくれよ)
すると背中から俺を包み込むような温もりが伝わってくる。
「れ、玲那!?」
玲那が俺を背中から抱きしめ、耳元で囁く。
「何かあったら相談してよね。あたしもシュウの力になりたい」
背中から玲那の脈打つ鼓動が感じる。スグの時同様に、レイナの言葉が脳内を駆け巡り、安心する。
「ありがとな、玲那」
墓石の前から立ち上がり、立ち去る際に思いついた言葉を口にした。
「ミサキ.......決着つけてくるよ」
玲那に病院に送ってもらう。玲那は病院の中にはついてこようとは、せず、終わったら連絡してね、と言い残しバイクにまたがり病院をあとにした。
昨日の病室にはいるともう、安岐ナースと上半身に心電図用の粘着ゲル電極を貼り、頭にアミュスフィアをかぶりベットに横たわるキリトの姿がある。
俺もベットに横たわり、上半身を脱ぎ、安岐さんが俺の体にキリトと同じ心電図用の粘着ゲル電極を貼りながら喋りかけてくる。
「如月くんも何か重荷を抱えてたりしてない?」
「何でですか?」
少し微妙そうな笑顔をしながら口を開く。
「さっき桐ヶ谷くんからいろいろと聞いたんだけど、あなた達も《ソードアート・オンライン》の中でいろいろあったみたいだったから」
「......そうですか」
少し沈黙が広がると安岐さんが笑顔で口を開く。
「でも、私には桐ヶ谷くんの抱えた重荷を取り除くことも、一緒に背負うあげることもできないけど、君ならできる。逆もそう。如月くんの重荷を桐ヶ谷くんが一緒に背負うことはできる」
(......今日は助けられてばっかりだな)
俺はアミュスフィアをかぶり、安岐さんの方を見る。
「ありがとうございます。あと俺たちの体にお願いします」
安岐さんは、任せなさい、と笑顔で指を突き立てる。それの映像を脳に染み込ませ、ぎゅっと眼を閉じる。
「リンクスタート!」
叫ぶと、いつもの光景が目の前に広がり俺を飲み込む。遠くなる意識の中、安岐さんのこえがかすかに聞こえる。
「行ってらっしゃい、《英雄シュウ》くん」
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