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サキュとやっちゃいます!! 三人が繰り広げるハートフルな毎日。 聖道のハートフルボッコな現実。
プロローグ
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妹は何も言わずに俺の額に自分の額を押し当てた。


「熱は無いみたいね〜」


妹に馬鹿にされた。


「いや、いやいや、日本語だって」


「お兄ちゃん、そんなのググら無くても解るよ」


(意味解って使ってんのか?)


ゴシックな女の子は俺の耳をつまみヒソヒソ話しを始めた。


「取りあえずだね。お前としかこの国の言語で意思疎通が出来んのだよ」


「なぜだっ」


「後で説明してやるから通訳しろ」

「私とお前の愛の巣から出ていけと妹に伝えなさい」


「おはよう、今日はいい天気だね。だそうだ」


妹に見えない角度からゴシックな外人さんがプチっと音がする程、お尻のお肉をえぐる勢いで抓った。

痛みで髪の毛が逆立つかなと思えた。


「ってかその人、何処の人?」


「魔界の住人じゃ」


「ミャンマーの山奥から来たそうだ」


「山……あったっけ?」


「多分ある」


すかさず横っ腹を殴られた。

息が出来ない程に。


「ってか名前くらい教えろ」


「リッチ・サッカバスだ」


「名前はリッチ・サッカバスだそうだ」


「リッチなサッカーとバスケット?」


因みに妹はアホの子です。学年最下位クラスのアホです。

勉強しても学習しない子なのです。

だが……そこが可愛い。


「まぁ、そんな名前で良い」


俺の首に手刀が降ったて来た。


「うーん、呼び難いしリッたんって呼んで良い?」


「小娘よ。死ぬが良い」


「まぁ、何て素敵なミドルネームなのかしら、リッたん感激っ!!だそうだ」


さりげなくリッチがキッチンの流し場近くにあったフォークで手の甲を突き刺した。


「ぬぁぁああ」


「あら大変っ!! お兄ちゃんたらドジなんだから」


妹は忙しなくリビングの食器棚の上から救急箱を持って来て手当を始めた。

リビングのテーブル前にリッチを座らせて、妹が俺の手当を始めた。


「リッたんは、お兄ちゃんの恋人?」


嬉しそうに咲智は俺に聞いて来たが、ここはだんまりだ。


「あんなに仲が良いし、少しうらやましい」

「お前はまだダメだからな。まだダメだ。大事な事だから二回言ったぞ」


ふとテーブルを見ると、ぽつりと座るリッチが少しはかなげな女の子に見えた。

いつも一人でご飯を食べて、おやすみなさいを言う相手もいない。

そんな少し物悲しい雰囲気をどこと無く持っている様に見える。

一人で座るのが絵になって居てとても自然に見えるのが、何故か切ない。

「そろそろ、飯食うか」
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