暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第一幕 「日常は終わり、そして非日常が始まる」
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を押してまで来たために体調もボロボロ。唯一の救いは最先端のナノマシン治療を政府の負担持ちで受けることが出来、それによって薬を飲まなくてもよくなった事・・・そして、あの後“僕以外にも更に2人”男性操縦者が見つかったから注目が多少は分散したくらいか。

「ベルーナ君・・・本当に大丈夫ですか?無理に参加しなくてもいいんですよ?」
「入学式も別室で受けたから・・・せめて、ホームルームくらいは顔を見せたいんです」

これはヤマダ先生への強がりではなく、本音だ。確かに辛いし周囲の注目の目に晒されるというのは気分が悪いが、僕は人との関係を絶ちたいとは思っていない。積極的に人に接することが出来ないからこそ、最初から逃げたくはないのだ。半ば意地のような感情を持って僕ははっきりと答えた。

「ホームルームには・・・参加します。可能ならば、授業も教室で・・・受けます」
「ほう、言い切ったな?その根性は嫌いではないが、これ以上山田先生に気苦労を掛けないようにしろよ?」

背後から凛とした別の女性の声。僕のクラス、1年1組の担任を務める人にして、元IS世界最強に輝いた織斑千冬先生その人だ。厳しそうな態度を取っているが、何となく優しい人だと思う。勘だけど。さっきの発言、良く聞いたら「自分に面倒を掛けるな」と言っていない辺りもそれが理由じゃないかと分析する。

「では山田先生は先に教室へ行ってSHRを始めておいてください。私も用事が終わったらすぐさま行くので」
「はい、わかりました!それでは後でまた!」

自分のクラスへ向かう山田先生を見送り、改めてこちらに向かい合った織斑先生と僕は、その後幾つか自身の病気と対策などについて確認し合い、改めて教室へ向かった。

ああ、憂鬱だ。誰か代わってくれればいいのに・・・いや、代えが利かないからここにいるんだったか。つくづく思う。この世界は、生きにくい。



 = = =



ままならんな、この世の中は。

そう一人ごちる。自分の弟然り、この少年然り。世の中はどうしてこうも人々の都合よく回らないのやら。
親族や友人などから再三話を聞いたが、この少年――ベルーナの心の怪我はかなり深いようだ。本来ならIS学園(こんなところ)ではなく田舎で静かに療養でもしているべきであるほどに。
IS学園に来るのは確かに彼にとっては必要な事である。何せ男性IS操縦者というのは現在世界で4人しかいない。そうなればそれを巡って多くの組織、国に狙われるし「とても良くない事」が起きる可能性は跳ね上がる。彼の身を守るためにはIS学園の庇護を受けるのが確実なのだ。それは本人も十分理解している。

それでも、こと彼にとって此処は居心地の良い場所ではないだろう。知り合いの一人もいない異国の学び舎で、まるで珍獣のように見ら
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