暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第一幕 「日常は終わり、そして非日常が始まる」
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男性IS操縦者、イチカ・オリムラ(漢字は分からないが多分発音は合っている)だ。彼はどういう訳か男性なのにISを起動させたとかで一躍脚光を浴びた。そして「良く考えてみればIS適性試験って女性にしかやってないよね?実は他にも使える男がいるんじゃね?」という話が浮かび上がり、現在の状況に到るという訳だ。
適性年齢とかを考えてかある程度試験を受ける男性の年齢なんかは絞られるそうだが、僕はもれなく範囲内にジャストインである。
「馬鹿馬鹿しい・・・結局今のところ一人も見つかってないし、仮に見つかっても・・・僕には関係のない事だ」
たかが数人男性IS操縦者が見つかったところで急激に現代社会の風潮が変わるわけでもなし。そいつがISを使えるからと言って自分が強くなるわけでもなし。よしんば自分がISを起動させることが出来た所で・・・“持病”が治らない限り乗れはすまい。
心的外傷後ストレス障害・・・PTSDと呼ばれる心の病だ。数年前にこじらせて現在進行形で治療中のこれはなかなかに厄介。昔よりはマシになったものの、同級生と同じような生活とはいかないのが現状だ。例えば周囲から注目されると気分が急激に悪くなるし、暴力的な光景を見るとひどい吐き気を催す。特に武器、又はそれを連想させるものに強い忌避傾向があるため、実質的な兵器であるISも見るだけでNG。
ついでに言えば僕は年下の女の子と腕相撲しても負けそうなほどに体が華奢だ。そんな僕に適性も何もあったものか。
・・・と、思っていた時期が僕にもあったのだが。
皆さんお察しの通り見事にIS適性があることが発覚。世にも珍しい「ISに乗れない男性IS適性者」の誕生だ。それも大変だったが、それから先はもっと大変だった。
世界で2番目の適性者だ、と僕と僕の通う学校には連日の如く世界各国のマスコミが押し寄せ、先生たちは「卒業したらIS学園行きね」と勝手に進路を決められ、頼んでもいないのに母国――ちなみに僕は生まれも育ちもイタリアだ――のIS関係者や有力者がありがたいご高説を聞かせに家を訪れ、お世話になっていた伯父さん(両親とは訳あって絶縁状態)と数少ない親友たちによる必死のフォローも虚しく僕はIS学園に行くこととなった。
正直行きたくなかったし、医者にも周囲にも「その体では無茶だ」と止められた。だが僕の面倒を見てくれていた伯父さんや友達が、目まぐるしい状況の変化に揉まれ次第にやつれていく様を見てしまっては、これ以上皆に迷惑を掛けられないと考えるのも無理の無い事だったと思う。
というか皆のやつれる様は軽くホラーだったし、身を守るための後ろ盾も必要だったから渡りに船だったというのもある。どちらにしろ事実上の選択肢は一つしかなかったのだ。
かくして日本にやってきた僕。突然湧いて出た不幸に心はボロボロ。持病
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