第179話
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すにはローマ教皇領にある場所、建物、霊装、これらをすべて同じ条件でアビニョンに揃える必要がある。
当然だな、出る事はできない。
けど、仕事をこなすにはローマ教皇領にある物を使わないとできない。
その条件をアビニョンで再現する事も不可能。
だから、ローマ教皇はある事を行った。」
「ある事?」
上条はサンドイッチをほおばりながら聞き返す。
「アビニョンとローマ教皇領の間に術的なパイプで繋いだんだ。
そうする事で遠距離操作の如く、設備を操作した。」
「大型サーバーにアクセス用のコンピュータを接続するようなものか。」
「そう考えて貰って構わない。」
「アビニョン捕囚が終わって、パイプは切断されたはずだが。」
「おそらく、C文書を使う際に繋ぎ直したかもしれません。
切断しただけで、パイプ自体は残っていますから繋ぎ直すのは容易です。
まだ、調査中ですからもっと違う方法を使っている可能性もありますけど。」
大まかな説明を聞いた上条だが、そこで新たな疑問が生まれた。
「また同じ質問に戻るんだけどさ。
どうしてローマ教皇領・・・バチカンか?
そこで使わないんだ?
わざわざアビニョンまで持ってくる理由が分からない。」
「色々と仮説がありますけど。」
少し考えてから、ゆっくりと五和は口を開く。
「C文書の使用の了承を得るには莫大な時間がかかるんじゃないでしょうか?
ローマ正教上層部である一四一人の枢機卿の意見もまとめないといけませんし。
バチカンではローマ教皇が大きな権力を持っているんですけど、それでも彼一人の独断ではC文書は使えないと思います。
だからこそ、今まで無闇に使われなかったんだと思います。
ところが、アビニョン経由の操作はイレギュラーで、枢機卿の意見をまとめる必要はない、という情報もあるんです。
その代り、バチカンで直接発動する訳ではないので、C文書の効果が一瞬で広まらない。
今ならC文書の行使を止め、世界中の混乱を収められるかもしれません。」
「それもあるかもしれんが。」
眼を閉じて何かを考えていた麻生。
眼を開け、頭の中で思い浮かべた仮説を説く。
「どうも、ローマ教皇がC文書をアビニョンで命令したとは思えない。」
その言葉に二人は首を傾げる。
「ローマ教皇とお知り合いなのですか?」
「いや、そういう訳じゃない。
一連の流れを再度思い返していたのだが、どうも腑に落ちない。
当麻の言葉を借りる訳ではないが、回りくどい。
まるで、一個人の考えだけで動いてるように思えて仕方がない。」
あくまで仮説と勘だがな、と最後に言って水を飲み干す。
イギリス側はローマ正教が魔術サイドの舵取りを
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