第四十一話 どんな人だったのか……それよりもメイム、覚えとけよ!
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言ったよ! 言ってしまってたよそんなこと!
背中に変な汗が流れるのを闘悟は感じる。
「だから……メイムに……聞いた……よ」
「ま、まさかその本を薦(すす)めたのって……?」
「ん……メイム……だよ」
あんの能天気娘!
十歳の女の子に何て本を薦めやがんだよ!
百歩譲って恋のアドバイスをするのはよしとしよう!
だが、なぜ修羅場本なんかを薦めんだよ!
あんのバカ! 今度会ったら頭グリグリの刑だ!
闘悟が怒りに震えている様子を見てヒナが首を傾げる。
「どうした……の?」
「あ、あのなヒナ、確かに恋を知ろうとするのは良いことだと思う。だけどな、その本だけは止めとけ」
「どうして……なの?」
「お前は純粋のままでいいんだよ」
闘悟は物凄く良い顔をしてヒナを諭(さと)す。
だが、当の本人はよく分かってはいない。
そこで闘悟は小さく溜め息をついて一つの考えを言う。
「そうだな。だったら、オレがもっと勉強になる本を選んでやるよ」
すると、彼女はいつもの無表情から少し頬を緩める。
「……ほんと?」
この無邪気さがすっげえ可愛い!
バカメイムめ!
もう少しで無垢(むく)な少女が変な道に迷い込むところだったぞ!
「ああ、今日はもう遅いし、また明日にでもここに来て、オレが探してやるよ」
「ん……分かった……よ」
素直に頷き、ヒナは本を元に戻しに行った。
そして、闘悟達は王立図書館を後にした。
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