家出姫
正妻戦争
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ついには頭を垂れ、愛しい男の額に自身の額を乗せてしまう。まだ熱を感じられる。
自らの所業で死に至らしめてしまった。あとには後悔しかない。
エリザが嗚咽を漏らし始めた時聞こえるべきでない音が聞こえた。
風のような音が。
すぅー…、すぅー…、すぅー…。
その音はエリザにも聞こえたらしく顔を上げて辺りを見回す。しかしここは洞窟の奥。風などそうそう入ってこない。なら何故?
すぅー…、すぅー…、すぅー…。
強化されたセリナの耳にはこの音がすぐ近くから発生していることを告げていた。まさかと思って男の胸を見る。
見ればその部分が規則正しく上下していた。
「寝てる?」
「え?」
セリナはゆっくり顔を上げカズヤの顔を見る。その顔は穏やかで‘眠って’いた。
そしてほんのり彼女自身にも理解できない感情が起り出す。
手拭いを握る手に電光が走る。
「セリナさん?」
「…ん?なぁに?」
「いえ……。」
この時エリザはセリナの背後に怒り狂ったドラゴンを見た気がし、心の底からカズヤの冥福を祈った。
直後セリナの鉄拳制裁が発動し電気ショック療法でカズヤは目を覚ました。
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