第二十八話 少年期J
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そっか、これがミッドチルダか。
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「俺さ、自分がまだまだ小さな人間だったんだなぁ、って改めて感じたんだ」
「あっそ」
「エイカさんが冷たい」
あれからちょくちょく公園で待ち合わせするようになったエイカとぐだぐだ会話をする。以前遊んだ子どもたちと遊ぶこともあるが、こんな風におしゃべりする日もある。それぞれの気分で決まることも多いが、エイカはめんどくさがりなので引っ張り出すことの方が多かったりするけど。
『他のお子様方はまだ来られていないようですね』
「うーん、そうなんだよね。でも黄昏るばっかりもつまらないし……これでもする?」
「そこでなんでポケットからそんなものが出てくる」
テテテテーン、エアークッション。これは人が無意味だとわかっていても、無意識に手を伸ばしてしまい、時間を忘れさせてしまう魔法のアイテムである。通称プチプチ。引っ越し作業で余ったので持って来た。
「はい、エイカの分」
「いや、何ナチュラルに手渡して来るんだよ」
「それではプチプチ王決定戦、よーいスタート!」
「あ、ちょッ、何勝手に始めてんだよ!」
なんだかんだで公園の一角で無心にプチプチを潰す子ども2人。傍から見たらかなりシュールな光景だった。
さて、隣でまだプチプチしているお子様がいるが、疲れてきたので俺は休憩。暇なのでちょっとそのお隣さんを観察してみることにした。俺よりも少し長い髪は、癖が強いのかところどころはねている。だいぶ寒くなってきたからか、エイカはいつものコートにマフラーを首元にしっかり巻いていた。あたたかそうだなー。
俺がじっと見ていることに気づいたのか、髪と同じ赤茶色の目と視線が合う。なんだよ、というように微妙にたじろがれた。エイカって相手の目を見て話したりするのがちょっと苦手らしい。合ってもスッと外されてしまう。よく見ると黄色も混じって見えるから綺麗なんだけどな。
「って、なんで休んでるんだよ」
「疲れたから」
ペシッとプチプチが顔面に当たった。
「ところで今気づいたけど、エイカの目の色って髪と同じかと思っていたけど、少し違うんだな」
「は? ……そうなのか?」
「うん。琥珀色って感じ」
「こはく?」
あ、宝石は知らないんだ。エイカって口悪いけど、年齢の割にかなり頭の回転が速いと思う。俺も普通に会話できるし。でもやっぱり知らない言葉も結構あるようで、俺がそれを知っているとちょっと不機嫌になる。負けず嫌いなところがあるしな。
「琥珀は宝石の名前だよ。木の汁が固まってできるんだけど、黄褐色に輝くんだ。黄色と橙の間ぐらいの色でさ。確か宝石言葉とかもあったはずだけど……あー、なんだっけ」
「木の汁と同じ色ってあんまり嬉しくねぇんだ
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