第二十八話 少年期J
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、同僚さんは天災系だったからな。買い物や家事が好きで、明るい性格で社交的だ。俺もお付き合いするならこういう女性がいいかも。
「そうだ。テスタロッサさんたちは元気にしてる? お仕事の方ももう復帰されたのかな」
「開発グループのみんな? 元気というか元気すぎるぐらいな感じですかね」
『裁判に勝ったことで賠償金ももらえますからね。僕たちは新しい家の足しに、同僚さんは新たなワインに頬ずりし、強者さんは高級胃薬を買えるなど皆さん喜んでいました』
「そ、そっかぁ」
お姉さん、なんでそんなに遠い目をするの。みんないつも通りですよ、本当に。あの劣悪な就業状況でめげなかった方々の集まりです。めっちゃ逞しい方たちです。
「仕事の方はまだ復帰していないけど、来年ぐらいにはまたみんなと一緒に頑張るみたい。職場が変わるから、また1からのスタートになるらしいけど張り切っているよ」
苦楽をともにした仲間として、これからも一緒に開発を続けていこうと宴会の時に笑っていたしな。みんなものすごいやる気だ。母さんは少し悩んでいたけれど、俺とアリシアで背中を押したのは記憶に新しい。母さんが俺たちのために時間を取ってあげたいと、以前ヒュードラの開発が終わったら管理部門に行きたいと考えていたからだ。
俺はコーラルと協力して得た情報の中で、母さんがそんな風に思っていることを知る機会があった。だからアリシアと2人で相談した。話し合って、意見を出し合って、俺たちは母さんに開発の道をこれからも進んでいってほしいと結論を出した。
母さんの夢を俺たちは応援したい。世界のみんなのためになる技術をこれからも作っていってほしい。だから母さんに俺たちの気持ちをまっすぐに伝えた。
『私たちのことは大丈夫だよ。だって私たちはね、えっへんって自慢できちゃう……かっこいいお母さんの子どもなんだから!』
母さんの迷いを綺麗に打ち消したのは、妹の太陽のような笑顔。こういうところは、アリシアには本当にかなわないなと感心した。
「そう、よかった。今度も民間の企業の方で?」
「うん。でも民間なんだけど、地上本部と連携を取っているところなんだ」
『今回の裁判で勝訴できたのは、地上本部の皆様のおかげです。力になることも兼ね、それにミッドの治安向上に貢献したいからともおっしゃっておりました』
「わぁ、それはすごく心強いわ」
母さん達は完成させた魔力駆動炉を、多くの人達の助けになれるものとして使っていきたいと言っていた。原作でのヒュードラは『奪ってしまったもの』だったけど、本来は『助けるためのもの』だった。さらなる改良は必要になるだろうけど、きっと実現できる。さすがに大型は難しいかもしれないけれど、少しコンパクトにすれば様々なことに使えるだろう。
そ
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