第九十三話 ヴィンドボナ炎上
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シミリアンは色々と仮説を考えたが、結局、明確な答えは出なかった。
「ともかく、今の状況を打破しないとな。ミシェル! カトレアを頼む」
「御意!」
マクシミリアンに代わってカトレアの介抱に移ったミシェルを届けると、マクシミリアンは『レビテーション』で横転した馬車の外に出た。
暗い馬車内から一転、外は銃声と魔法が飛び交う戦場と化していた。
応援に駆けつけたメイドコンビがMG42を乱射し、帝国貴族が魔法で群がるモンスターを焼く。
馬車を死守していたセバスチャンがマクシミリアンが現れるのを見ると、戦闘を中止し傅いた。
「ご無事でした陛下」
「心配を掛けたセバスチャン。まずは周辺のモンスターを一掃し、ショーンブルン宮殿と連絡をとる
マクシミリアンは『ウォーター・ビット』のスペルと唱え杖を振るうと、馬車周辺に大量のウォーター・ビットが現れモンスターを攻撃し始めた。
その数256基。
いつも欠かさない魔法の鍛錬の他に王家の杖の効果も加味され、マクシミリアンの魔法の強さは劇的に上がった。
さらにマクシミリアンの半径50メイルのウォーター・ビットはマクシミリアンから直接、魔力の供給を受け、魔力切れを起こさずウォーター・ショットを放ち続ける事ができる様になり、
鉄壁の布陣と化したマクシミリアン周辺では、255のウォーター・ショットがモンスターを蜂の巣にしたり、或いは横なぎに払われて刃と化したウォーター・ショットでバラバラに切断されたりと瞬く間に駆逐された。
さらに器用なことに、モンスター以外の誤射を防ぐ為、残された1基のウォーター・ビットを管制係にすると、周辺の地形をスキャンさせて他のウォーター・ビットとデータリンクし、市民が逃げ惑う街中において、誤射率0%のモンスターのみを殺す奇跡のような迎撃システムを構築した。
「しかし、このモンスターども、動物園から逃げた出した奴らが暴れているにしても、元気が良すぎだぞ。久々の人肉に野性が戻ったか?」
独り言を言ったが、今はそれど頃ではない。
人に危害を加えてしまった以上、駆除しなければならない。
マクシミリアンは『レビテーション』で宙に浮き、大き目の煙突の上に立つと、鉄壁の迎撃システムと化したウォーター・ビットを広範囲に展開させ、ヴィンドボナ各地での小戦闘に介入し、最終的にヴィンドボナ市の三分の一をカバーした。
マクシミリアンの圧倒的な実力を、その目で見ていた護衛の帝国貴族達は驚きの声を上げた。
「す、すげぇ。あれが『賢王』マクシミリアン!」
「一人で10万の軍勢を相手出来るんじゃないのか?」
小国の王と心のどこかで侮っていた彼らは、マクシミリアンを怒らせないように心に決めた。
……
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