第九十三話 ヴィンドボナ炎上
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ロル鬼を倒すと、ミシェルとグリーズgた石畳を破壊して着地した。
着地したミシェルは群がるオーク鬼をブレイドを振り回して斬りながら、グリーズを横転した馬車まで駆けさせた。
「セバスチャン殿、ご無事ですか!?」
「私のことよりも、両陛下をお救い下さい!」
セバスチャンはトリステイン製後装ライフルの弾を装填しながらミシェルに言った。
流石というべきか、セバスチャンは擦り傷程度の軽症でまだまだ戦える様子だった。
馬車まで30メイル以上あり、オーク鬼が数体、壊れた柱や看板を武器にミシェルに襲い掛かってきた。
「退け!」
ミシェルはグリーズの胴を両足で締め上げ馬上の身体を固定すると、大剣化した『ブレイド』を大きく振りかぶり、襲い掛かる一体目のオーク鬼の肩から腰に掛けて袈裟斬りに斬り絶命させた。
「陛下! カトレア様! 今行きます!」
反す刀で二体目のオーク鬼を『ブレイド』で斬り殺し、馬車の近くまで駆けたミシェルは、グリーズから横転した馬車に飛び移るとドアをこじ開け、中に居るであろうマクシミリアンとカトレアの名を呼んだ。
「……うう」
「陛下ですか!?」
横転した馬車の底ではくぐもった声がして、ミシェルは『ブレイド』を消し『ライト』の魔法を唱えるとレイピア型の杖を馬車内にかざした。
馬車内に明かりが差し込み、横転した馬車の奥にはマクシミリアンがカトレアを守るように頭を抱きながら倒れていた。
「陛下、ご無事ですか!?」
「ミシェルか、悪いがそこらに僕の杖が落ちていないか?」
「陛下。カトレア様のご容態は?」
「気を失っているだけだ。それよりも杖だ。体中が痛い」
「た、ただいま!」
ミシェルはマクシミリアンらを踏まないように横転した馬車内に飛び降り、壊れた調度品の残骸と一緒に落ちていたマクシミリアンの杖を拾った。
ずしりと重い、トリステイン伝国の『王家の杖』は水の力が蓄えられた水色の大きな水晶が取り付けられており、使用者の水魔法の威力を増幅する効果がある。
王家の杖を受け取ったマクシミリアンは、『ヒーリング』は唱え、身体中の打ち身と擦り傷を治した。
「ふう、落ち着いた。ミシェル状況の説明を」
マクシミリアンは気を失ったカトレアを開放しながらミシェルに聞いて来た。
「それが突如、モンスターの群れが襲い掛かってきて、突然の出来事だったので我々も訳が分からず……」
「モンスターが街中で、な」
マクシミリアンは数日前、動物園で見た元気のないモンスター達を思い出した。
「……まさか動物園から逃げ出して、この騒ぎを起こしたのか? 檻に閉じ込められたモンスターが、脱出した事で野性を取り戻した?」
マク
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