三話〜存在〜
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いが、
「ユニークスキル……なのか、《死武王》は」
「……ええ」
要するにこう言うことだろう。
現死武王である、PKプレイヤーは、どこかで、当時死武王だったリンの情報を手に入れた。自分も死武王になるために。だが、できなかった。なぜなら、それがユニークスキル、この世界でたった一人しか習得できないチカラだったから。
しかし、そいつはそれでもあきらめられなかったのだろう。なんとかそのチカラを手に入れようと、必死に方法を探った。そして見つけてしまったのだ。リンを殺せば自らにそのチカラが宿ることを。
後は、なにかしら作戦を立ててリンを殺すと共に、スキルを奪い取った。
しかし、仮にそうだったとしても、やはり一つわからないことが残る。
なぜ俺は、今の今までそのことを知らなかった?ユニークスキル、《死武王》の存在を。その所有者が殺されたことを。
大ニュースになってもおかしくない、いや、ならないほうがおかしい。史上二番目のユニークスキル使いとしてお高く祭り上げられ、大いに悲しまれたはずだ。
「……隠蔽……されたのだと思います。騎士団によって」
心の中を見透かされたような一言に、思わず俺は振り向いた。
「隠蔽……」
こくんと頷き、ティーナは続けた。
「ユニークスキルは……他のスキルと比べて圧倒的に強力なものであると言われています。もちろん、それを証明するものなんてありませんが、団長さまの、ヒースクリフさまのユニークスキル、《神聖剣》のイメージが強すぎるんでしょうね、恐らく。だからおのずと、《死武王》も《神聖剣》と同等の強さだと思えてしまうんでしょう。《神聖剣》以上のスキルがあるとは思えませんが」
やけに淡々とした台詞。そこでティーナは一つ息をつき、衣の右胸に施された赤十字をぐっと掴み、言葉をしぼり出した。
「そんな危険な力をもったレッドプレイヤーがいるなんて皆に知れ渡ったら、自分たちが戦わねばいけない状況になるんじゃないか。そう、考えたんじゃないでしょうか」
「それで、か」
そう願う気持ちはよくわかる。正当でないにしろ、権利はある、とも。
彼らもまた、ラフィンコフィンのあの事件を目の当たりにしているのだ。大なり小なり、トラウマというものが芽生えているはず。そんな状態の彼らに再び殺し合いをせよと、だれが言えるだろうか。
だれにも言えない。いや、だれにも言わせない。
そう思うならば、やるしかないのだ、自分たちで。
「キリトさん、もう、わかりましたよね」
ティーナの、優しいながらも張りのある一声。
気持ちは決まった。
「……このままほっとくわけにはいかないしな。俺でよければ引き受けるよ。死武王の討伐――」
この時の俺
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