暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 赤いプレイヤーの日常
三話〜存在〜
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を立て終わり、ようやく辿り着いたアスナ曰く穴場なレストランの妙なテーブルに半ばはりつく形で座り、依頼の説明を受けているわけで――

「アスナさん、いつまで食べてるんですか」

 しびれを切らしたらしいティーナのやや荒いだ声が、俺を現実逃避から引き戻した。一拍反応が遅れたアスナがスプーンをくわえたまま目をまんまるに見開き、ティーナを直視する。その視線にティーナはコホンと一つ咳払いをすると、続けた。

「アスナさんが食べ終わらないことには私も話しづらいですし……アスナさんがおっしゃったのでしょう?『キリトくんにはわたしから話す』と」

 ごくん、と大きめのスプーンに満たされたシチューのみこみ、アスナはひらひらと手を振った。

「い、いいよいいよ。前言撤回。もう少しだからティーナちゃん話せるとこまで話しちゃって」

 ティーナの笑顔がぴくっと引きつった。が、すぐに元の表情に戻り、一つわかりましたと呟いて俺のほうに向き直ると口を開いた。

「まず、キリトさん。ご存じないとは思いますが、《死武王(しぶおう)》ってお聞きになったことありますか?」

「……いや、知らない」

 唐突だったために一瞬迷ったが自分を直視するティーナの鋭い視線に圧され、反射神経で首を横に振った。

「そう……ですよね。まず、そこからご説明しましょう」

 心の奥で安堵したようなため息と共にティーナは言った。前のめりになり再び話し始めるかと思ったのだが、

「あ、ティーナちゃん。やっぱりここからはわたしが言うわ」

 いきなり割り込んできたアスナにより、その動きが固まった。ふと右に目をやれば、いつのまに食べ終わったのかスプーンを握り締めたアスナの顔がずいっと前に突き出されている。
 ――やけに近くないかい、アスナさん
 と言うか、そんな早く食えるんだったら待ってたほうがよかったじゃないか。
 そんなことを想うがもちろん口には出さない、もとい出す勇気がない。ごまかすつもりでアスナから視線を逸らすと、そこには俺とは対照的に感情を完全には隠せていないティーナの笑顔があった。アスナは気づいていないようだが眉が短く痙攣している。
 ぜったい頭にきてるよな、あれは。

「……わかりました。なら、お願いします」

 ティーナは小さくそう呟くと、前のめりだった体をイスに落ち着けた。


「じゃ、まずは《死武王》がなんなのかっていうことなんだけど……」

 入れ替わりにしゃべり始めたアスナが、人差し指の代わりにスプーンを目の前で立てる。

「……どうやらスキルの名前らしいんだよね」

「……スキル?」

 そんなスキル名は聞いたことが無い。
 俺とてこの世界、ソードアート・オンラインを生きるMMOゲーマーの一人だ。生活系の
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