第三十七話 恋ってやつぁ、難しいよな
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に振り向く。
「待っててね……トーゴ」
Vサインを向けてくるが、その声にどう答えればいいか悩む。
「あ、まあ、楽しみにしてるぞ」
ヒナは満足気にコクッと頷く。
よし、いろいろ危なかったが一段落したな。
まあでも、ようやくこれでクィルに怒られることも……。
ホッとしながら彼女の方に意識を向けると………………そこには頬に両手を当ててモジモジしている女の子がいた。
「恋……恋かぁ……えへへ……恋仲かぁ……」
何やら呟いているようだが、どうやら先程みたいに怒っているわけではなさそうなので闘悟は安心した。
すると、いきなり肩を掴まれたので闘悟は振り向くと………………そこには涙を流している男軍勢がいた。
もちろん筆頭はネコミミだった。
「トーゴォ……このヘタレラブマシーンがぁ……っ!!!」
おいおい、誰がヘタレだ!
つうか何で泣いてんの!?
それから彼らの執拗(しつよう)な嫉妬から繰り出される言葉責めに耐えた闘悟はぐったりしていた。
「だ、大丈夫ですかトーゴ様?」
心配そうにクィルが聞いてくる。
「はは、男の嫉妬がこれほどだとは思わなかったぞ……」
「それはトーゴ様があまりにも無防備なせいなのです」
少し怒気を込めた言葉を放ってくる。
だけど、すぐにいつものクィルに戻る。
そして、少し思案顔してから闘悟に口を開く。
「しかしです、今更ながら決闘に勝利して良かったのでしょうか?」
「負けた方が良かったって言うのか?」
「いえ……でも、あの決闘のせいで、トーゴ様は……」
「知ってるよ」
「へ?」
「ここの連中のほとんどが、オレを見る視線。気づいてないとでも思ったのか?」
悪いが、視線に対しては誰よりも敏感だぜ?
特に負を込められたものはな。
「ほとんどの奴らはオレに恐怖を感じてる。だけど、そうでない連中もいる。コイツらのようにな」
カイバ達に視線を向けて話す。
「で、ですが……」
「それに、恐怖を込めるほとんどの連中は……多分貴族とか、身分が高い奴らだろ?」
闘悟の言葉に、クィルは目を大きく見開く。
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