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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-22王子と勇者
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い合う。
ブライとミネアも起き出して、
側
(
そば
)
に控えていた。
「なんだ、ブライ。見張りに来たのか。心配性だな」
「今回ばかりは、心配の相手は王子ではございませんがな」
「わかってるよ。クリフトの代わりの回復役まで確保して、念入りなことだな」
「私は、それほど心配はしていないのですが。気を付けるに越したことはありませんからね」
「よし。備えも
万全
(
ばんぜん
)
だそうだ。ユウ、行くぞ!」
「うん。」
少女の返事を受け、アリーナが走り出す。
真っ直ぐ距離を詰めてくるアリーナを待ち構えるように、盾を構える少女。
アリーナは、盾の脇から一撃を入れる、と見せて身を低くし、足を払いに行く。
少女も読んでおり、落ち着いて身を
躱
(
かわ
)
す。
足払いを
躱
(
かわ
)
されたアリーナは、その流れのまま地面に手をついて足を振り上げ、武器を蹴り上げにかかる。
少女は身を引いて
躱
(
かわ
)
し、無防備になったアリーナの上半身を狙い、剣を振るう。
無防備に見えていたアリーナの上半身が勢い良く
跳
(
は
)
ね上がり、振り上げた足を抱え込むように丸くなり、そのまま背後に飛んで距離を取る。
着地しようとするアリーナに、今度は少女から距離を詰め、まだ地に着かない足元を狙って斬りつける。
アリーナは瞬時に膝を曲げて着地の瞬間を遅らせ、更に伸ばして剣を踏みつける。
体重をかけられ、少女は思わず剣を取り落としそうになるが、
堪
(
こら
)
えて盾をぶつけに行く。
盾がぶつかりそうになる
刹那
(
せつな
)
、アリーナは剣にかけた足を、不意に外す。
バランスを崩し、ぐらつく少女の
隙
(
すき
)
を逃さず、盾をかわして
喉元
(
のどもと
)
に
正拳
(
せいけん
)
を打ち込み、当てずに
止
(
と
)
める。
ふたりの動きが、
止
(
と
)
まる。
少女が、言葉を発する。
「まいり、ました?」
「どうして、疑問形なんだ?」
「
師匠
(
ししょう
)
は、いつも
止
(
と
)
めずに打ち込んできたから。こういうのは、初めて」
「そうなのか。厳しい師匠だな」
「アリーナは、違うの?」
「特定の師匠というのも、いないが。
手
(
て
)
解
(
ほど
)
きをしてくれた者たちは、遠慮して打ち込んでは来なかったな。成長して、手合わせするようになってからは、今度は当たらなくなったし。訓練で痛い思いをしたことは、そう言えば無いな」
「それ以外でなら、あるの?」
「
碌
(
ろく
)
に力も付いていないうちから、城を抜け出して魔物に手を出して、痛い目を見たり。
後
(
あと
)
は、訓練以外で、少しな」
「訓練以外……あ。おばあちゃんが」
「ブライが?」
アリーナは、周りを見回す。
いつの間にか、ブライとミネアの姿は消えていた。
「……いないな。ブライから、何か聞いたのか」
「……う
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