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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-22王子と勇者
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あも引っかけられない」
「前向きだな……いや、単純に喜んでるのか」
「だから、私たちが追いつけたんですね」
「サントハイムの王子殿下ともあろう(かた)が。あまりくだらない理由で、くだらない者をお連れになりませんように」
「何でもくだらないと切って捨てるのはどうかと思うぞ」
「で、どこに置いてきたんだ?」
「リレミトとルーラが使える者はいなかったからな。洞窟の中に置いて来るわけにはいかないから、()き立ててとりあえず洞窟の外までついて出て。キメラの翼を渡して、そこに置いてきた。宿までついて来られても困るからな。報酬は、道中の戦利品で話をつけてあったし」
「キメラの翼って、非常用のか?どうやって帰ってきたんだ」
「走ってだが。さすがに、一度(とお)った道ならわかるからな」
「……ソレッタにも、キメラの翼くらい売って……ねえかもしれねえな」
「パデキアの(たね)は、無かったからな。ブライが手に入れてるとしても、俺がソレッタに寄る意味は無い。だから、寄り道せずに走って帰ってきた」
「その発想がもうおかしいだろ。走って、ルーラを使ったオレらに追いついて来たのかよ」
「マーニャたちが、いつ頃戻ったかは知らないが。ソレッタに寄ったのなら、そんなものだろう」
「……ばあさん。やっぱ、助けは要らなかったな」
「賭けの要素が大きいからの。やはり、追いかけて正解じゃった」

 黙って話を聞いていた少女が、ぽつりと呟く。

「……地獄の帝王を、倒すために。旅してるって言ってた、戦士さん。戦わない、のね」
「世の中にはな、言うことだけは大きい奴ってのがいるんだよ」
「……そう、なのね」
「ユウも、仲間に誘われたのか?」
「うん」
「なかなか、面白い者たちだったが。ユウは、ならなくて正解だな」
「そこはそう思うんですね」
「向き不向きはあるからな」
「なんだか、充実した道中だったようですわね。終わり良ければ、といったところかしら。」
「そうだな!その通りだ!」
「甘やかさないでくだされ、トルネコ殿。」

 話を終え、夕食も終えて、今日はもう遅いからと部屋に戻って休む。



 翌朝、少女がいつものように早く起きて走り込みを始めると、既に起き出していたアリーナが、先に走っていた。

「おはよう、アリーナ。早いね」
「ああ、おはよう、ユウ!手合わせが楽しみでな、早く目が覚めた!」
「わたしは、そんなに強くないと思う」
「そんなことは無い。普段の身のこなしを見れば、その者の強さはある程度わかる。ユウは、身のこなしで言えば、十分に()()れと呼んでいいレベルだ」
「そう、なの?」
「ああ。そうだ」

 走り込みを終え、少女は軽く()()りを、アリーナは(かた)の確認を済ませ、向か
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