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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-22王子と勇者
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んせき)も無かったからな」
占い師であるミネアが、聞き慣れない神秘の
力
(
ちから
)
に、反応する。
「サントハイム王に、そのようなお
力
(
ちから
)
があったとは。私の占いとは、また違うもののようですね」
「うむ。占いのように、狙ったことを知ることは出来ぬが。占いは、占いたいことや対象がはっきりしておらねば、占えぬのじゃったな?」
「はい。例えば、みなさんを目にした後で占えば、みなさんが導かれし者だとわかりますが。出逢う前には、それはわかりません。自分や連れを占って、出逢いの手がかりを得る程度しか」
「うむ。我が王の予知は、本来知るはずも無いこと、知ろうと考えもせぬことが、
天啓
(
てんけい
)
のように知らされるのじゃ」
「天啓……。まさに、神のご意思のようですね」
「うむ。じゃからこそ、魔物共に危ぶまれたのでは無いかと思うておる。
故
(
ゆえ
)
に、城の者ごと、隠されたのでは無いかとな」
「ただ、証拠は無い。あったところで、
皆
(
みな
)
が戻らないなら意味も無い。雲を
掴
(
つか
)
むような話だったが、少なくともデスピサロが魔物を
率
(
ひき
)
いていることがわかったからな。収穫だ」
「うむ。
僅
(
わず
)
かながら、希望が見えましたな」
「つまり、どうあっても奴が怪しいってこったな。奴の手先のキングレオの野郎共も、
締
(
し
)
め上げて倒しゃあいいと」
「そういうことだね。そう簡単にいけばいいけど」
「ライアンとかいうのがいるんだろ?どっちにしても行かなきゃならねえんだ。考えてできるこたあ、ばあさんに魔法習っとくくらいだな」
「そうだね。ブライさん、時間はありませんが、よろしくお願いします」
「うむ。逆に考えれば、この状況ならばマーニャ殿の覚えは良くなりそうじゃの」
「そうですね。さすが、よくおわかりです」
「よし、ややこしい話は
一旦
(
いったん
)
終わろうぜ。アリーナ、洞窟じゃ随分な役立たず共を連れてたらしいじゃねえか。どこで拾って、どこに置いてきたんだ?」
真面目な話に飽きたマーニャが、もういいだろうと話を変える。
アリーナが答える。
「ああ、彼らにはミントスで会った」
「ここでかよ」
「俺は地図を見るのは苦手だからな。仲間に誘われたから、道案内を頼んだんだ。見るからに弱かったが、元々ひとりで戦うつもりだったしな。さすがに旅慣れているだけあって、道案内の腕は確かだった。役立たずということは、無いな。ひとりで行くのとどちらが早かったかと言われると、微妙なところだが」
「戦闘で足引っ張って、他で役立って、トントンか」
「いや。戦闘にはそもそも参加して来なかったから、足を引っ張られてもいないな。ただ、歩くのが遅かった。気配も消さないから魔物によく見つかって、そのぶん多く戦えたから、同じ時間と考えれば連れて行って良かったな。俺ひとりでは、あ
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