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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-22王子と勇者
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どちらにしても、準備は必要なんですから。」
「マーニャとミネアは、ルーラかキメラの翼で行けないのか?」
「行けねえこたあ、ねえだろうが」
不穏(ふおん)な情勢の国ですからね。港の船の出入りも、厳しく制限されているくらいですから。他国から飛んで行っては、警戒されるでしょう。特に私と兄は、お(たず)(もの)になっている可能性がありますし。船で、目立たない場所に()けて上陸するのがいいかと思っているのですが。どうでしょう、ブライさん」
「そうじゃの。急ぐとは言え、一刻を争う程の事態では無い。(われ)らが導かれて()()う運命ならば、そのようになるのじゃろう。ここは慎重を()した上で、可能な限り急ぐべきであろうな」
「それでは、船で。クリフトさんの体調を見て、明後日(あさって)以降に出発ということで」

 話は纏まり、ブライがクリフトに告げる。

「うむ。では、クリフト。部屋に戻って休むが良い」
「ですが。まだ、我が国のお話が」
「それは、王子とわしから説明すれば良いこと。無理に立ち会う必要も無かろう」
「……そうですね。ここで意地を張っては、かえってご迷惑になりますね。それでは、みなさん。お先に休ませていただきます」
「お部屋まで、お送りしますわ」
「ありがとうございます、トルネコさん。アリーナ様、ブライ様、後のことはお願いいたします」
「ああ。ゆっくり休め」

 立ち上がったクリフトにトルネコが寄り添って支え、食堂を出て行く。

「あとは、なぜみなさんがデスピサロを怪しまれているかですね。こうなっては、聞くまでもないという気もしますが」
「うむ。これまでは怪しんでおっただけじゃが、皆の話を聞いて、疑惑が深まったでな。何にせよ、トルネコ殿が戻られてから、念のためお話しいたそう」
「そうですね。聞かせていただけば、なにか気付くこともあるかもしれませんから」

 夕食を取りつつトルネコを待ち、戻ってきたところで、ブライが改めて口を開く。

「さて。我らが奴を怪しむ理由じゃが。ユウちゃんのようにはっきり襲われたということも無ければ、マーニャ殿、ミネア殿のように魔物の口から聞いたということも無くての。ただ、我が王が、予知の力を持つこと。その力を(もっ)て、地獄の帝王の復活を予知しておられたこと。その予知を人に告げることを、一度は(はば)まれていること。エンドールの武術大会の、優勝候補であった奴めが、決勝を待たずして姿を消したこと。奴が姿を消した時期、魔物が姿を消した時期、我が城の者たちが消えた時期。それらが、一致しておること。これらを総合的に判断して、デスピサロの奴めが怪しいと踏んだのじゃ」

 アリーナも、言葉を添える。

「他に、手がかりが無かったとも言うな。城には、なんの痕跡(こ
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