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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-20王子と神官
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「なんもなかったから、いいじゃねえか」
「そういう問題じゃ」
「ミネア殿。済まぬが、急ぎたいのじゃ」
「……そうでしたね。こちらこそ、すみません」
「パトリシアも、大丈夫かな。パトリシア!」
ひとりで馬車を守るのに、繋いだままでは守り切れないこともあるからと、念のため放していたパトリシアに少女が呼びかける。
少女の呼びかけに
応
(
こた
)
えるように
嘶
(
いなな
)
きが聴こえ、すぐにパトリシアが姿を現す。
「よかった。無事だったのね」
「では、ルーラを使いますぞ」
「兄さん、あとで話があるから。ブライさん、お願いします」
「うむ。ルーラ!」
ソレッタに戻り、再び村の入り口に馬車を置いて、王の畑に向かう。
日も暮れかかった畑では、王がいまだ
野
(
の
)
良
(
ら
)
仕事に
勤
(
いそ
)
しんでいた。
ブライが呼びかける。
「陛下!」
「おお、ブライ殿。アリーナ王子には、会えたかな?」
「お蔭様で。それよりも、パデキアですじゃ!トルネコ殿!」
「はい。王様、こちらを。」
「ふむ。……これは!これこそは、まさしく、パデキアの
種
(
たね
)
ではないか!なぜこれが、いやそれよりも。種を、早く、畑に
蒔
(
ま
)
かねば!」
「収穫に、どれほどかかりますかの?」
「大丈夫、パデキアはすぐに育つのじゃ。すぐにも……ほれ!見られよ!」
トルネコから王が受け取り、畑に蒔かれたパデキアの
種
(
たね
)
は、みるみるうちに芽を出し、辺り一面に広がり、すくすくと
丈
(
たけ
)
を伸ばし、立派に成長した。
「なんと……!」
「ありがとう!これで、この国は救われた!パデキアが、必要なのであったな?ささ、そなたも。パデキアの
根
(
ね
)
っこを、持って行くが良い。」
王は手際良くパデキアの根を掘り出すと、泥を丁寧に払い、茎を切り落として、ブライに差し出す。
「
有
(
あ
)
り
難
(
がと
)
うございます!これで、仲間も救われますわい!では、これにて!」
「うむ。急いで戻られるがよかろう。気を付けてな。」
「皆さん、お疲れでしょうが、あと
一息
(
ひといき
)
です!このまま、ミントスに戻りますぞ!」
「はい。急ぎましょう」
「早く、治して差し上げないとね。あたしたちは大丈夫ですから、お気遣いなく。」
「うん。大丈夫」
「ばあさんこそ、大丈夫か?ルーラなら、オレが使うぜ」
「魔力ならば、まだあるが。頼めるかの」
「任せな」
馬車を拾い、マーニャのルーラでミントスに戻る。
ミントスの宿で、氷と水を運ぶホフマンに会う。
「あっ、みなさん!お帰りなさい!」
「おお、ホフマン殿!クリフトの様子は、どうかの」
「付いてる女性の話では、大きく変わりはないものの、やはり弱ってきてはいるそうです」
「大きくは、変わり無
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