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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-20王子と神官
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 震えていた三人が、(はや)し立てる。

「さすが、王子!」
「これなら、お仲間でも世界でも、救えますな!」
「私たちの伝説は、始まったばかりです!さあ、次に参りましょう!」

 若者は軽く応じる。

「この洞窟の魔物は、なかなか()(ごた)えがあるな。よし、次だ!行くぞ!」
「はい!」

 今度こそ、立ち去る王子一行。

 ブライが(つぶや)く。

「……(あん)(じょう)じゃ。すっかり、戦いを楽しんでおられる。連れも、(そろ)いも揃って役立たずじゃて」
「王子様は、本当に強いのね。でも、ひとりで、戦ってたね」
「お連れの(かた)たちは、応援団みたいでしたわね。荷物持ちに道案内に、戦えなくてもできることは、あるでしょうけれど。」

 少女とトルネコが、感想を述べる。

 ミネアが、慰める。

()(ほど)(わきま)えている(かた)たちではなかったですか。実力も(かえり)みず前に出るようでは、かえって王子の身が危険になります。あの三人を連れていては、あまり無茶はできないでしょうから、王子様は大丈夫でしょう」
「そうじゃの。流石(さすが)足手(あしで)(まと)いを置き去りにしてまで突き進むような、(じょう)の無いお(かた)ではありませんからな。パデキアは、(われ)らが持ち帰れば良いだけのこと。動き回る王子を捕まえようとするより、動き回る理由を無くすほうが、手っ取り早いというものじゃな。失礼した、我らも行きましょうぞ」


 気を取り直して、探索を再開する一行。

 トルネコが拾う宝の匂いに、通った道を確実に記憶していく少女。
 ふたりの示す情報から、次に行くべき道を検討し、決定するブライとミネア。


 戦闘では、ブライの氷結魔法が猛威(もうい)を振るう。

「氷の洞窟だから、魔物も氷には強いかと思いましたけれど。かなり、()きますのね。」
「氷の魔法は冷気だけでなく、氷塊(ひょうかい)や鋭い氷の(やいば)による、物理的な攻撃力もあるからの。冷気に弱いもののほうが効くとは言え、他に効かぬということは無い」
「氷の魔法は、初めて見た。すごく、強いのね。おばあちゃんが、強いのかな」
()()に年は取っておらんでの」
「これで、補助の魔法もお得意なんですよね。兄さんも見習ってくれれば」
「ふむ。マーニャ殿か。ともあれ、今は先を急ぎましょうぞ」


 役割を分担し効率良く探索を進め、宝箱の中身を順当に回収しつつ、同じようで微妙に違う道をぐるぐると回り、見えていてなかなかたどり着けなかった階段にもたどり着き、一行は洞窟の最下階に到着した。


 その部屋は、滑る床でほとんど埋め尽くされていた。

 滑る床の海
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