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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第20話 機動六課初任務
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椅子の下の床から目まで出し、辺りを見回すセイン。
零治達の作戦は単純。
黒の亡霊と零治、機動六課組が戦闘を始めると同時にセインが自身のISディープダイバーでレリックを盗み出す作戦だ。
セインはかなり反対したが、実際に機動六課の評判を下げずに遂行するには撃退したと思わせるのが一番で、今回レリック以外にも重要なロストロギアは多い。
完全に撃退した状態で盗まれても機動六課の評判はあまり下がらないだろうろ思ったからだ。
そしてそれを可能にできるのは………
(私だけだもんな………私のISがやっと役に立つと思うと確かに嬉しいけど、今回はな………)
実際セインは失敗できない。
それはレリックを確保できなかった場合ではなく、セインが捕縛され、身元がバレてしまうのだけは避けなければならない。
セインにとってそれが一番も不安だった。
(しかも2両目には加奈がいるんでしょ?なのに何でわざわざこっちなんだろう………)
始め、スカさんもセインも皆、キャロ達がいるライトニングの車両からだと思っていた。
室内であればキャロはフリードを大きく出来ず、ルーテシアは地雷王を出せず、戦力が下がるのだ。
だが………
「セイン、1両目からスターズを抜いて3両目に向かってくれ」
零治だけ違っていた。
「何故だい零治君?」
「ライトニングは確かに戦力的に比べても圧倒的に低いだろう。だけどエローシュ、アイツが不気味だ」
「まあ確かにあの変態は不気味っスよね………」
「お前が言うか」
「私は変人ってだけで別に不気味じゃないっスから良いんスよ」
ノーヴェの言葉もウェンディは動じない。
「彼に何かあるのかい?」
「変態は紙一重ってね。アイツ天才だ。まだ未知数って感じだけど爆発したら一番恐ろしい存在になるかもしれない」
「そこまで彼を買っているのかい?」
「私にも理解出来ないっス」
「まあ買いかぶりってのもあるかもしれないけど、アイツは避けたほうがいいと思います」
「………分かった。そういう事だからセイン」
「ええっ………」
と言った会話があり、今に至るのだが………
「やっぱり無理だよ………」
セインは1人、かなり弱気になっていた。
潜り込んだのは良いものの、1人で敵の真っ只中でかなり不安に押しつぶされそうになっていた。
戦闘経験も自分のISの影響で皆無に等しく、こういった仕事をこなしたことが無い状態でいきなり抜擢されたのだ。
「でもここまで来ちゃったしな………もうやるしかないか………頑張れ私………!!」
自分を奮い立たせながらセインはチャンスが来るのをひっそりと待っているのだった………
「ん?」
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