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ヘタリア大帝国
TURN67 ドクツ軍壊走その六

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「充分に。しかもです」
「広範囲だな」
「一個艦隊だけには留まりませんので」
「だからこそここでも使うか」
「全てはソビエトの為に」
 カテーリン達のこの考えも出た。
「まさに切り札です」
「その切り札を切ったか」
「それが今です」
「わかった」
 ジューコフはゲーペに冷静そのものの声で答えた。
「それではだ」
「ええ、あれのコントロールは任せて下さい」
 今度はコンドラチェンコが出て来た。流石に今は飲んでいない。
「いけてますよ」
「ではそちらは頼む」
「一歩間違えるとこっちにも来ますからね」
「そこが人間とは違う」
 そして人間が操る艦隊とはというのだ。
「だからこそ余計に頼む」
「わかってますよ。この戦いに全てがかかってますからね」
「全ては国家の為だ」
 ジューコフはソビエトとは言わなかった。
「コントロールは任せる」
「それじゃあですね」
 コンドラチェンコは自身が率いる艦隊の横にいるそれを見た。その顔は普段のものとは全く違ったものだった。
 その顔でこう自身の部下達に言った。
「いいか、本当に一歩間違えたらな」
「ええ、俺達の方がですよね」
「巻き込まれて」
「死ぬからな」 
 この言葉は本気だった。
「いいな、注意しろよ」
「はい、わかってます」
「その辺りは」
「ドクツ軍に向けさせるんだ、こいつの攻撃は」
「このニガヨモギの」
「それを」
「何処から来たかわからないけれどな」
 このことはコンドラチェンコも知らない。
「シベリアかららしいがな」
「あそこからですか」
「引っ張って来たんですか」
「らしいな」
 彼はこう言われていた。真実を知っているのはカテーリン達僅かな者達だけだ。
「どうやら」
「ですか、シベリアは色々な生き物がいますからね」
「星の中でも」
「熊とかクズリとかムースとかな」
 マンモスもいる。
「湖にはアザラシもいるだろ」
「はい、淡水性のアザラシですね」
「確かにいますね」
 部下達はコンドラチェンコの話に頷いて答える。
「そういうのもいますね」
「確かに」
「だからだろうな」
 コンドラチェンコはモニターに映るそれを見続けている。
「こういうのもな」
「いてそして手なずけて」
「こっちに持って来たんですね」
「あの博士確かに凄い人だからな」
 ロリコフである。ソビエトではかなりの有名人だ。
「変態だけれどな」
「まあ。科学者としては天才ですよね」
「そのことは確かですよね」
「あの人がちゃんとしてくれたからな」
 だからコントロールが出来るというのだ。
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