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ヘタリア大帝国
TURN67 ドクツ軍壊走その三

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 それで彼はこう言うのだった。
「総統に直接話すか」
「そうされるのですか」
「気になる。何がある」
 また言う彼だった。
「後方で」
「我々の書類の不備は」
「何度もチェックした」
 物資の種類も物資の到着の日付も何もかもをだ。だが、なのだ。
「しかし遅れ間違いがあるのはだ」
「流石にないですね」
「イタリンならともかくだ」
 レーティアが率いるドクツに鍵ってだというのだ。
「有り得ない。だからだ」
「ではすぐにですね」
「後方に行きたい」
 ドイツはまた言った。
「そして総統を話をしたいが」
「ですが今は」
 オーストリアはここでそのドイツに言った。
「そうした状況ではありません」
「それどころではないな」
「はい、いよいよモスクワ攻略です」
 この戦いの最大の正念場である。
「それがありますので」
「後方には戻れないな」
「とても。何につけてもモスクワ戦の後です」
 オーストリアはモスクワを攻略できる、それも確実にという見方から述べた。
「それからですね」
「やはりそうか」
「とにかくまずはモスクワです」
 この星域攻略につきた。
「後方で総統にお会いするのも」
「わかった。ではだ」
「モスクワに向かう用意をしましょう」 
 オーストリアは丁寧な口調でドイツに述べた。
「今は」
「そうだな」
 ドイツはオーストリアの言葉に頷きそのうえで彼もモスクワに進む準備に入った、ドクツ軍は今は戦いに専念していた。
 モスクワにはソビエト軍の主力が集結していた。それを率いるのはジューコフである。
 そのジューコフにウクライナが不安そうに尋ねた。
「あの、提督」
「何でしょうか」
 ジューコフはその隻眼をウクライナに向けて応えた。
「不安がありますか」
「はい、少し」
「ご安心下さい」
 ジューコフはウクライナが何を言いたいか察してこう返した。
「ドクツに勝ちます」
「勝ちますよね」
「必ず」
 それが出来るというのだ。
「もっと言えば勝たねばなりません」
「絶対にですね」
「そうです。何があろうとも」
 こうウクライナに言うのだった。
「私は命に賭けてソビエトに勝利をもたらします」
「ソビエト人だからですか?」
「そして軍人だからです」
 これがジューコフの決意の元だった。
「だからです」
「軍人だからですか」
「軍人の務めは戦いに勝つことです」
 確信と共に言う。
「何があろうともです」
「だからこそですか」
「ここで負ければソビエトの命運は決します」
 まだ戦うにしてもだ。
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