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ヘタリア大帝国
TURN67 ドクツ軍壊走その二
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 そこを陥落させればというのだ。
「そうなればいよいよ」
「そうね。私も予想していなかったけれど」
 グレシアもだった。このことは。
「日本はガメリカに勝てるわ」
「それが見えてきました」
 こう話す二人だった。そして。
 エルミーは切実な顔になりこうグレシアに言った。
「あの、総統ですが」
「伝えて欲しいことがあるのね」
「はい、お一人でお考えになられることも必要ですが」
「それでもなのね」
「くれぐれもお身体には気をつけて下さい」
 レーティアのことを心から気遣っての言葉だった。
「このことをお伝え下さい」
「わかったわ。デーニッツ提督、貴女は」
「私は」
「優しいわね。そしてレーティアを愛してくれているのね」
「私はドクツ人です」
 エルミーはレーティアを心から敬愛する理由を自分がドクツ人であるからだと答えた。それも熱さのある声で。
「ドクツ人ならです」
「レーティアを愛することは当然ね」
「総統はドクツを救って下さいました」
 二年前に世に出てそしてだった。
「そして今ドクツを羽ばたかせて下さっています」
「それ故にね」
「ドクツ人は総統を敬愛します」
 こう熱い声でグレシアに答える。
「それは当然のことです」
「そうね。貴女の様な人がいてくれるからレーティアは頑張れのね」
 グレシアは今このことも実感した。
「自分を愛してくれる者達がいるから」
「私達の様な者がですか」
「そうよ。人は自分を愛してくれる人の為に戦うわ」
 ここではあえて戦いと言う。
「そういうものだからね」
「だから総統は」
「安心して。レーティアは」
 グレシアは気付かないうちに微かに漏らした。
 だがエルミーはそれに気付かず言ったのだった。
「ドクツを救うわ」
「それでは総統にお伝え下さい」
「そうさせてもらうわ」
 二人で話す。そしてだった。
 エルミーは今はグレシアと別れた。グレシアは電源を切り暗くなった自身のパソコンのモニターを見ながらこう呟いた。
「レーティア、彼女達の為にも早く戻って来てね」
 過労で倒れたレーティアのことを思ったのだった。彼女の一刻も早い復帰はグレシアも心から願っていた。
 ドクツ軍の進撃は続く。中央軍集団はスモレンスクを手に入れた。
 ドイツは占領した星域においてこうオーストリアに言っていた。
「あと少しだ」
「モスクワですね」
「モスクワを手に入れれば戦いは終わるか」
「若しくはですね」
「ソビエトがまだ抗戦してもかなり有利に立てる」
 首都はその国の政治だけでなく経済、交通の心臓部だからだ。
「だからこそだ」
「モスクワを手に入れますか」
「そうする。モスクワだ」
 とにかくこの星域だった。
「すぐにあの星域を目指すが」
「こ
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