第二十八章
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「俺がいる、そしてだ」
「それにだよな」
「他の奴等もいる、それを絶対に忘れるな」
「ああ、それじゃあな」
言葉を交えさせそのうえでだった、オーズはその姿で。
スサノオと闘いをはじめる、それはまさに本能と本能が激突する闘いだった。
拳ではなく爪だった、それをスサノオに向けて放つ。スサノオも渾身の力をオーズにぶつけてくる。
その激突の中でだ、スサノオは言うのだ。
「これはまさに野獣の闘いだ」
「ああ、そうだよな」
「人の闘いではない、グリードの闘いでもある」
「野獣とグリードは同じだっていうのか?」
「君はどう思う」
答えはしない、逆にオーズに問うたのである。
「そのことは」
「そうだな、グリードは人間だ」
彼等、アンク以外は気付かなかったことだ。しかし彼は今はそのことはわかっていた。
それでだ、こうスサノオに言えたのである。
「野獣も人の心があればだ」
「人になれるか」
「グリードもな」
「では君は今は人間として闘っているのだな」
「そうなるよな」
その通りだとだ、スサノオに余裕のある調子で返す。
「俺もな、そして人間としてな」
「そのうえでか」
「御前を倒す、そうする」
「しかし私もそう簡単にやられるつもりはない」
スサノオの言葉には今も余裕がある。
「生憎だがな」
「そうだよな、やっぱり」
「簡単に終わっては面白くない」
スサノオの考えの全てが出ている言葉だった、無論彼自身そのことがわかっている。
「だからだ」
「このまま闘ってか」
「楽しもう、こうして」
右の拳でオーズを吹き飛ばそうとする、だが。
オーズはその拳を己の腕で防いだ、その瞬間腕を凄まじい痛みと衝撃が襲った。だがそれでもだった。
激痛と衝撃に耐えながら、彼は言った。
「痛いな」
「痛いか」
「はっきり感じるさ、この痛み」
そして衝撃をだ。
「痛いと思ってそれから逃げたいと思うのも人間だよな」
「恐れるのもまた人間なのだからな」
「俺は今それを感じてるさ。けれどな」
それでもだというのだ。
「闘う、そして」
「私に勝つか」
「ああ、これに負けずにな」
そしてだというのだ。
「勝つさ」
「ではどうして勝つ」
「人間の力で」
まさにそれでだというのだ。
「俺は御前に勝つ」
「ではどうして勝つか見せてもらおう」
スサノオも不敵な顔で受けて立つ、そして。
両者は再び激しくぶつかり合った、その結果。
幾度も攻撃を繰り出し合い激しい応酬を繰り返す、オーズも幾度も激しい攻撃を浴びせる。
そしてスサノオもだ、双方かなりのダメージを受けるがそれでもだった。
スサノオは倒れない、まるで不死身の様にそこに立っている。その彼に対してオーズは果敢に闘う
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