第二十六章
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「俺達のことがな」
「成程。では君はこれからどうするのかね」
「グリードもまた人間になれる」
その人間の姿での言葉である。
「そしてそのうえでだ」
「私と闘うというのか」
「言った筈だ。この闘いは俺だけの闘いじゃない」
声が、スサノオの声が聞こえる方を見据えての言葉だ。
「俺と」
「俺の闘いだからな」
オーズはアンクの横から言った。
「つまり、俺達が二人で」
「御前を倒してやる」
アンクのその目が鋭くなる。そのうえでまだ姿を見せないスサノオに告げる。
確かにスサノオはまだ姿を見せない。それでだった。
彼はここでだ。こう言うのだった。
「早く姿を見せろ」
「闘う為に」
「そうだ。闘わないで済むと思っていたか」
「私の方もそうは思っていない」
「なら出て来い」
目だけでなくだ。顔を、顎を中心にして動かしながらスサノオに言っていく。
「ここで決着をつけてやる」
「この戦いの決着を」
「映司、いいな」
アンクは自分の横にいるオーズも見て言った。
「メダルの用意はできているな」
「ああ、何時でもな」
「よし、メダルは何処だ」
「ここにあるさ」
こう言ってだ。オーズは右手から左側にいる彼にトスの要領で何枚かのメダルを投げ渡した。そのメダル達を見てだ。アンクは頷いてから述べた。
「よし、これならだ」
「あっ、いいメダルだったんだ」
「待て、御前は自分が投げたメダルを見ていないのか」
「っていうかあるメダルを適当に出したんだけれど」
「馬鹿が、そんなことでまともに戦えるか」
アンクはオーズの言葉にすぐにだ。目を顰めさせて返した。
「やはり御前は一人では駄目か」
「一人で駄目ならどうだってんだよ」
「俺が必要だな」
そのオーズと顔で向かい合いながらだ。アンクは告げた。
「そして俺もだ」
「俺が必要だっていうんだな」
「そういうことだ。では二人でだ」
「ああ、スサノオを倒すか」
「では出て来い」
アンクはオーズと共に声がしている方を見上げた。そうしてだ。
スサノオに対してこう言った。そうしたのだ。
そのうえで相手を見る。するとだ。スサノオもそれに応えてきた。
余裕の声だった。ここでも。その余裕の声でこう二人に言ってきたのである。
「ではだ。はじめるとしよう」
「俺達との決戦」
「受けるか」
「はじめからこうするつもりだった」
戦う、そのことはだというのだ。
「しかしだ。私は見たかったのだよ」
「俺がアンクをもう一度呼び戻すことができるのか」
「そして俺が映司をまた仲間と認める」
「そのことを見たかった」
「そういうことか」
「その通りだよ。そして私は見せてもらった」
満足している口調だった。明らかに。
「それならば後はだ」
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