第二十五章
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空を舞いつつだ。そしてだった。
ロストアンクの胸に突き刺した。そして言ったのである。
「アンク、聞くんだ!」
そのだ。友への言葉だった。
「御前とこの子は別じゃない、同じなんだ!」
そうだというのだ。
「心も身体も融合するんだ。そしてその中でだ!」
「僕は・・・・・・」
「俺がか」
アンクの声がだ。ロストアンクの口から出て来た。
「俺がこいつと同じか」
「そうだ。同じアンクなんだ」
「ふざけるな」
オーズの今の言葉をだ。アンクは否定した。その声がだ。
「俺とこいつは違う」
「その子とは別人だっていうんだな」
「そうだ、違う」
まただ。アンクはオーズの言葉を否定した。
「俺は一人だ。アンクだ」
「そうだ、御前はアンクだ」
「この小僧じゃない。俺はあくまで・・・・・・いや」
ここでだ。無意識の、その奥底からだ。アンクは感じたのだ。
その無意識の奥底からだ。急激にロストアンクと同化していっていることに。そしてそれを感じているのは彼だけではなかった。彼も同じだった。
ロストアンクもだ。アンクが喋っている同じ口でだ。言ったのである。
「僕は。まさか」
「そう、君もなんだ」
「アンクなんだ」
「俺はこのガキだったのか」
アンクもだ。また言った。
「そして、か」
「そうだ。今元に戻るんだ」
分かれていたその状況からだというのだ。
「アンクに。元のアンクに」
「ふん、忌々しいがな」
「これで僕が僕になれるのなら」
アンクとロストアンクが同時にだ。同じ口から言葉を出した。
今彼等はオーズと宙の中に立ち止まりそのうえでだ。対峙してだ。
そしてだ。こう言ったのである。
「御前と再び戦うか」
「それでいいよ」
こうしてだった。遂にだ。
二人のアンクが一つになりだ。完全にアンクが戻った。そうしてだ。
オーズとアンクは一旦闘技場の中に降り立った。それと共にアンクは一旦人間の姿になる。
その姿でだ。アンクはオーズにこう言ってきた。
「まずは礼を言う」
「おいおい、何か礼を言っているようには聞こえないな」
「気にするな。こうして会えたことは俺も喜んでいる」
顔は憮然としてそのぐりーどのままの、そこだけはそうなっている右腕を少し掲げて動かしながらだ。そのうえでオーズに言ってきたのである。
「会えるとは思えなかったからな」
「俺は会えると思っていたよ」
前の戦いで未来のアンクに会っているからこそだ。オーズは笑っている声で言えた。
「絶対に。そして俺の欲望は」
「また俺に会い、か」
「共に生きていくことだから」
「そういうことか。それなら俺もだ」
アンクもだ。オーズの今の言葉を受けてだ。
人間の姿で不敵な笑みを浮かべてだ。こう返したのだった
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