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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第四十三話】
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今の引っ越しって聞くと山田先生がここに引っ越しなのかと思う。


「先生が、私たち兄妹の部屋に引っ越しなのですか?」

「い、いえ!違いますよっ!――えっと、お引っ越しするのは有坂さんです。部屋の調整が付いたので、今日から同居しなくてすみますよ」

「えっ?えと――」

「えっと、それじゃあ私もお手伝いしますから、すぐにやっちゃいましょう」

「ま、待ってください。急な事なんでびっくりなんですが――今すぐじゃないといけませんか?」


美冬の言葉に山田先生は目をぱちくりさせ、瞬かせた。


「それは、まあ、そうです。兄妹といえどもいつまでも年頃の男女が同室で生活をするというのは問題がありますので」

「で、でも、お兄ちゃん怪我してるし――」


心配そうに此方を見る美冬。


「美冬、俺なら大丈夫だって。怪我はしたが一応着替えれるしな」

「うぅ…。わかりました…」

「じゃあ、すぐに始めましょうか」


あまり乗り気じゃない美冬、心配なのはわかるが……。



怪我してるから手伝いは出来なかったが、美冬と山田先生二人でてきぱきと動き、作業は一時間以内に終わってしまった。




あれから少し時は流れ、今は無駄に広い部屋を椅子に座って眺めている。


「……何だかんだで美冬がいなくなると寂しいな。――だが、一人なら風呂上がり全裸で文句言う人いないってのはいいかもだが」


美冬が使っていたベッドを見ると、側に何か落ちてるのに気付き拾うと――。


「……携帯忘れてるし。届けに行くかな」


部屋の場所はさっき山田先生が説明してるのを聞いていたので全く問題はない。

ただ、松葉づえのせいで遅くなってしまうが――。


部屋を出、松葉づえを使い歩いていくと曲がり角から喋り声が聞こえてきた――。


何を話してるのかは興味がないから、そのまま行こうと移動すると――。


「ら、来月の、学年別個人トーナメントだが――わ、私が優勝したら――」


聞こえてきた声は篠ノ之の声だった。

向くと、篠ノ之の前には織斑がいて――。


「つ、付き合ってもらう!」


その言葉と共に、篠ノ之は織斑に指を差し、当の織斑は――。


「……はい?」


――という何とも気の抜けた返事だった。

――突き合うって、二人でフェンシングでもするのか?


そんな勘違いをしたとも気付かずに、俺は妹の部屋へと向かっていった――。
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