黄巾の章
第7話 「はにゃ? 愛紗、だれなのだ?」
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拶なさったほうがいいのではないだろうか?
「あ……はい。私は、姓は劉、名は備、字が玄徳と申します。翠ちゃん……馬超さんの事なら、気にしないでください。助けられる方を助けるのは当然のことですから」
「ほえ? なんやあんた……馬超の真名預かったんか?」
張遼どのは驚いた様子で、馬超どのを見やる。
馬超どのは、苦笑しつつ頷いた。
「うん。翠ちゃんはお友達になったよ。だってとってもいい子だもん」
「あっははははは! 西涼の錦馬超をいい子扱いかいな! あんさん、めっちゃおもろいわ〜!」
「えへへ」
桃香様が微笑んでおられる。
桃香様……褒められているかどうかは微妙なところですよ。
「で、傷の具合はどうなん? 報告では、まだ動けないらしいとしか聞いてないんやけど」
「えーと……」
「ああ、それは私から」
ご主人様が前にでる。
「あんさんは?」
「初めまして文遠どの。自分は北郷盾二と申します」
「……ほお。では、あんさんが噂の天の御遣いかいな?」
む……?
張遼どのの目に剣呑な光が宿る。
「いえいえ。それはただの噂ですよ。私はただの義勇軍の軍師です。周囲がそう言っているだけでそんな証拠もなにもありません」
!?
ご主人様……?
ん?
なんだ朱里。
「(ぼそぼそ)愛紗さん、ここは何も言わずに盾二様にお任せください。絶対に否定も肯定もしちゃだめです」
「(ぼそぼそ)どういうことだ?」
「(ぼそぼそ)訳は後で……お願いします」
朱里が真剣な眼でこちらを見てくる。
ふむ……なにか考えがあるということか?
「噂ねぇ……しかしこの義勇軍は天の御遣いの率いる義勇軍、そういうことらしいやないの」
「なに……私はそんなことを一言も言った覚えがありません。周囲がそう言い、噂が先行しているだけです。正直私も困っていましてね……」
「ふうん。あくまでも自分は天の御遣いなどというものではないと?」
「天は常に一つ。なれば天子様以外には天はありませんよ。そもそも官軍ともあろう方が、噂や占い師程度の醜聞をお信じになさるので?」
「ふむ……」
張遼どのは、胡乱気な眼でご主人様を見ている。
「馬超。その辺どうなんや?」
「あ? あたしか? うーん……盾二に助けてもらったけど、別段天の力なんて使ってないし。周りの兵が勝手に言っているだけみたいだったぞ」
……ほう。
確か、馬超どのはご主人様のあの力を見ておられたはず。
馬超どのは……もしかしてご主人様を庇っておられるのか?
「そうなんか?」
「ああ。この義勇軍にいる兵はみんな黄巾の連中に家族を殺されたり、邑を滅ぼされたりした連中らしいし……たぶん朝廷を信じら
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