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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第7話 「はにゃ? 愛紗、だれなのだ?」
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ある官軍、そういうことですね」
「まあ、名分があるのは曹操もそうだが……どちらが上か、と言われれば馬超たちのほうが上だろうさ。洛陽という都で、天子から詔を受けて出撃しているんだ。なら、恩は売っておいても損はないさ」
「……たしかに」
「まあ、最低でも共同戦線。うまくいけば糧食の心配はしなくて済むようになる。おまけに官軍と共同戦線を張れば、名声だけでなく実績がそのまま朝廷に伝えられる……桃香の名を売るいい機会だ」
「はい。ですが……」
「うん?」

 朱里が浮かない顔をしている。
 どうしたんだ?

「何か問題があるのか?」
「実は、盾二様には申し訳ないのですが……盾二様の噂が少し問題になるかと」
「俺の噂……? 天の御遣いってやつのことか?」
「はい。漢の皇帝は天子……天の子、ということになっています」
「ん……あーあー、なるほど。天の子と天の御遣い。『二天』ということか。ふむ……確かにまずいか」

 確か中国の漢の皇帝は天子……天の子孫となっているんだっけ。
 でも……ああ、そうか。劉邦の時代からまた神聖化されるようになっていたな。
 儒教か……面倒なことだ。
 まあ、君主を神聖化するのがもっとも簡単な統治者を崇めさせる方法だしな。
 そっかそっか……やばいな。

「んー……じゃあ、俺はあんまり表に出ないほうがいいかも知れんなあ」
「ですが……この義勇軍は天の御遣いが力を貸している、そういう風に触れ回っています。官軍と共に行動するのは……」
「う、うーん。しかし、桃香にはまたとない機会……いっそ俺が抜けるか」
「そんな!」

 朱里が声を上げる。

「盾二様が抜けるならば、私や雛里ちゃんも抜けます!」
「あ、いや……そうだな。そうなるとこの義勇軍自体、立ち行かなくなりそうだな。それに桃香が、それなら官軍に頼らないと言いだしかねないし……うーむ」

 俺が抜けるのは、今後のことを考えるとマイナスにしかならんかもしれん。
 いっそ官軍に合流させた後、三人で人知れず消えるか?
 しかし……それでは桃香に起てた誓いを破ることにもなりかねん……

「まいったな……となると、あとは官軍の張遼と華雄に俺のことを内緒にしてもらうしかないか。はてさて、どうするか」
「そうですね……馬超さんにお願いしてみてはどうでしょうか?」
「馬超に?」
「はい。彼女は盾二様に救われた恩があります。その恩の代わりに……と、お願いしてはいかがでしょうか」
「う……むう。あんまり恩に着せたくはないんだが……そうも言えんか。まいったな……」

 本当は……本当に代償なんか求めるつもりはないんだがな。
 しかし、朱里の言うこともわかる。

「……ふう。わかった。あとで馬超に話してみよう。彼女が了承すればよし。
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