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なりたくないけどチートな勇者
36*外野が邪魔
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ルさんである。

あれは絶対止めねばならない。

「退けゼノア邪魔!罠(トラップ)カード『マジックジャ…がっぶっ!?」

ゼノアを蹴飛ばし、困った時の遊戯王と言わんばかりに魔法をジャマーしようとした所、誰かが手を口に突っ込んできて、驚いてる隙に投げられた。
それによりカードが手から離れ、発動は不発に終わってしまった。

そして犯人はもちろんゼノアさん。
なんとも凄い執念である。

そして彼は剣を握りしめ、自分の首にむかい……

「だらぁぁ!!」

あっぶな!!
こいつ躊躇いのそぶりも見せずに人の首はねようとしたよ!!

なんとか受け止めたけど、体制からして無理がある。

しかたない……ここは漢(おとこ)としてはつかいたくなかったが……背に腹はかえられん。

自分は右足に力をためながら、ゼノアに言う。

「ゼノアよ……許せ!!」

そして一撃を放つ!

ドスッ!!

「きょかぱっ!?」

自分の放った必殺の一撃を受け、奇声を発しながら悶え苦しみ、崩れ落ちるゼノア。

何をしたかというと……自分は渾身の力を込めた蹴りを……その、あれだ……。
足と足の間に……な。

うん、漢にしかわからん痛みだろう。
そして見てるだけで冷や汗モノのこの光景。

ほら、周りの兵士なんてみんなそこを押さえてふるえている。
みんなやっぱり不能にはなりたくないよな。

「つっ〜〜〜〜!!」

そしてここで男性特有の弱点を押さえて芋虫みたくうねっているゼノアは、みんなが想像している痛みを想像ではなく、体感しているのだ。
やった本人が言うのもあれだが、もはやかわいそうとしか言えない。

「……えい」

「みっ!?」

なので彼には痛みを忘れて夢の世界へと旅だってもらう事にした。
というか電流流して意識を強制シャットダウンさせてもらった。

……重ね重ねホントーにゴメン。

だがここで自分は油断していた、というか忘れていたのだ。
なぜに自分がゼノアの急所を強打せねばならなかったのかを。

「フ、フハハハハハ!さぁ、術式は完成した!我が最大の召喚まほぅ……を……何があった。なぜ皆して股間を押さえている」

あ、言っちゃった。
てゆーかこれは空気読んだんだか読んでないんだか。

「……あー、気にしないで。それより召喚魔法ね、召喚。うん、やめてくれ、頼むから」

ど真ん中ど直球ドストライクドストレートに自分はお願いした、がしかし

「……それでやめると思うか?」

ですよねー。
でも、相手が召喚すんならこっちも手はある。

そう思いながら自分は前屈みになりながらこっそりカードを取り出す。
すると彼はそれを臨戦体制だと認識したのか、声高らかに


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