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なりたくないけどチートな勇者
36*外野が邪魔
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ー。自分はまだピンピンしてんぞ」

呼吸を整えながら、ゆっくり立ち上がって目の前にいる頑固親父をキッと睨みつける。

多分垂れてて睨んでるよーには見えないだろーけど。

するとどうだろう。
そこには驚愕に顔を歪めた頑固親父が……なぜ?

「……全力で背骨を叩き折るつもりの一撃を……何をした」

彼は油断なく身構えながら、自分へと質問を投げかけてきた。
その時後ろから駆けてきたゼノアは、セブルさんに制止させられつつもいつでも自分に飛び掛かれるようスタンバっている。

てか、背骨っておい。
下手すりゃ……下手せんでも死ぬぞ。

「……再生しました、はい完治です。人間なめんなバカヤロー」

普通の人間なら死ぬけどね。
いや、この場合人間だったから死ななかったのか?

判断が難しい所である。

「……少々、侮っていたようですな。ゼノア様、続けて加勢お願いできますかね?」

「無論だ。奴はシルバを泣かせた、全力で潰すぞ」

彼らはそう言うと、持ってる武器を構えて臨戦体制をとりはじめた。
やっぱりゼノアはセブルさんの差し金だったか。

しかし、二対一とかひどくない?
それにゼノアさん性格変わってない?

「……話しきーてくんないかねぇ」

そう言いながらも自分は居合の体制をとり、来たる攻撃に備える……フリをしながら逃げる算段を頭で考える。

そしてなんかないかと考える間に、ゼノアがもっそい速さで切り掛かってきた。

「うるぁぁぁぁ!!」

「のわわわっ!?」

余裕かましてやった事もない居合のポーズとってたもんだから、居合う事も出来ずにただ避けるだけになってしまったという間抜けさ加減に泣けてくる。

と、自分はゼノアの猛攻を避けまくってると、その後ろでセブルさんがなんかブツブツ言ってんのを発見した。
両手と翼を目一杯広げながら呪文を唱える彼を中心に巨大な魔法陣とさらにその周りに小さな魔法陣が着々と描かれていって……

アラートアラートアラートだ!!
危険なニオイがプンプンするんだよ!!
自分は野性の勘はないけど理性の勘があるんだよ!!

「ちょっ!邪魔ぁ!!」

目の前のゼノアを押しのけて、セブルさんを止めるべく自分は走ろうとした、が

「貴様の相手は、俺だぁぁぁ!!」

「どうわぁぁぁ!!」

弾き飛ばしたゼノアが即座に復活して切り掛かってきたのだ。

その時見た彼の眼は、もとから紅かったがそれよりさらに紅く、血走った眼をしていた。

理性のかけらもなく、怒りとか憎しみとかそこらへんに埋め尽くされた眼をしている。

こいつは異常だ、とさらにアラートを鳴らす自分の理性。
そして同時に、色々と疑問が浮かんできた、が

そんな事よりセブ
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