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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第三十六話】
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てしまう。


「――ヒルトさん」


 空にいたセシリアが、俺の名を呼んだ。


「ヒルトさんの優しい所、わたくしも良いと思います。――ですが、わたくしも優しいだけではダメだと思いますわ」


 セシリアのそんな言葉に俺も小さく頷く。


「……あぁ、美冬やセシリアの言ってる事はわかる――それでも、怪我をしない保障はないだろ?」

「……ええ、ですがわたくしも美冬さんも怪我なら大丈夫ですから――ヒルトさんも、気にしないでくださいな」

「そうだよっ、お兄ちゃんが思ってるほどISのバリアーや絶対防御は柔くないんだからねっ」

「……わかった。まだ頭で切り替えは出来てないが――次はちゃんとするさ、これがな」

 天狼を収納し、新たに弓の『疾風』を展開する。

 それが合図になったのか、直ぐ様美冬は高く飛び上がった。

 空にいたセシリアを覆い隠すように飛んだため、セシリアの姿を見失った俺。


「………っっ!!」


 弓を構えると同時に、矢が一本展開される。

 そのまま弦を引き、空を舞う美冬へと狙いを定めた。


「――何てねっ、今だよセシリア!!」


 そう告げた美冬は、急降下して地上に着地すると砂塵が舞う。

 そしてセシリアは、いつの間にか展開していたビットを、先程まで美冬が居た場所に移動していた。

 ――美冬が影になって見えなくさせていたのか。

 固まって固定砲台となったビットは、直ぐ様同時に射撃を始めた。

 降り注ぐ粒子の雨――。


「ぐぅっ…!?」


 ビットによる射撃が、此方を正確に捉え、与えられた衝撃が全身を襲った。

 今のだけでもかなりのシールドを削られた挙げ句、装甲の表面温度も上昇した。

 他のISよりも熱に弱めなのが弱点だ……古い装甲が原因かもしれない。

 だがそれも俺の言い訳に過ぎないのはわかっていた。

 ――そして、脚を止められてる間にまた此方にロングステップで距離を縮めてきた美冬。


「……当てるっ!」


 ヒュンッ――矢が空を切る音が鋭く鳴った。

 放たれた矢は、勢いそのまま美冬を襲うが――。

 打鉄に最初から装備されていた盾を器用に角度を変え、受けるのではなく矢を反らした美冬。

 反れた矢は、アリーナの地面へと落ちていった――。


「ふふっ、甘いよお兄ちゃん!」


 間合いを詰められ、胴への一撃――刀は振り抜かれ、胴体部の装甲から短く火花が散った。


「く……っ、何も出来ない…っ」

「動かないとやられちゃうよ? 加減――しないからねっ!!」


 グルンッ――刀を逆手に持ち変えた美冬は胴を回し、勢いをつけ回転しな
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